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第二章 第41話 【ドラッツェ帝国】対【フランソワ王国】⑥

 要塞から出撃した俺達のPSパワードスーツ部隊は俺を含めて全13機で、他には戦闘車両と戦闘バイクの随伴機が凡そ50車両で構成される。


 歩兵部隊は速度の面で問題が有り、最初に迎撃した時には共に迎撃したが、2回目からは随伴させていない。


 出撃した総勢63機の機甲部隊は、【閉鎖フィールド】を魔導具で突破したゴーレム軍目掛けて突き進む。


 既に同様の迎撃戦を8回繰り返しているので、最早迎撃方法も確立されている。


 「全員傾聴せよ!

 此れで9回目となる【フランソワ王国】本国方面からの増援軍だが、又もゴーレムだけで構成された軍団だと、小型ドローンによる索敵で判明している。

 総数は凡そ1000体で、全てが大型のストーン・ゴーレムだそうだ。

 前回と同じフォーメーションで吶喊するぞ!」


 「「「了解!!」」」


 俺の命令に短く返答した計63機の機甲部隊は、一斉に鏃の様な陣形にフォーメーションを組みながら、速度を全員同調させながら行軍して行く。


 ほぼ時速100キロメートルで疾走する俺達に対して、【フランソワ王国】軍が派遣してきた大型のストーン・ゴーレムは精々時速20キロメートルである。


 当然速度差があるので、急激に此方から【フランソワ王国】軍に接近し、そのまま正面から吶喊して行きながら僅かに進路を逸らし、ギリギリのラインで擦れ違いつつ俺達は至近距離からの砲撃戦を展開する。


 ドドドドドドッ!!


 ゴガガガガガガッ!!


 凄まじいまでの計63機の機甲部隊による、固定武器であるバズーカ砲や機関砲、そして様々な魔導弾を使用する魔導砲が、至近距離で【フランソワ王国】軍が派遣してきた大型のストーン・ゴーレムに浴びせかける!


 大型のストーン・ゴーレムが大体約12メートルの体長で、俺達の乗るPSパワードスーツはオプション武装込みでも約5メートルの体長」なので、此の体長差を利用して俺達は大型のストーン・ゴーレムの足元と膝下目掛けて集中させる砲撃は、ものの見事にストーン・ゴーレムの下半身を破損させて、【フランソワ王国】軍の進軍を停滞させる。


 先頭の大型ストーン・ゴーレムが軒並み下半身が破損したので、当然ながら進行出来なくなった後続の大型ストーン・ゴーレムは、無理矢理にでも進みたいらしく下半身を失い倒れ伏している先頭の大型ストーン・ゴーレム達を、踏みつけながら進軍しようとして来るが、不安定な形で進軍しようとするので、此方にとっては非常に狙いやすい大きな的である。


 一旦擦れ違う形で進路を変えて行った俺達は、一気に【フランソワ王国】軍の大型ストーン・ゴーレム達から距離をとり、遠距離からの砲撃戦を展開した。


 当然ながら、距離が有っても同族の大型ストーン・ゴーレムをよじ登りながら進もうとする奴等は、俺達からしたら良い標的でしか無く、遠距離であってもその攻撃は尽く当たり、大型ストーン・ゴーレム達はなす術なく壊れていく・・・。


 (・・・やはり今回も前回と同じく、大型ストーン・ゴーレムを指揮する【フランソワ王国】軍の軍人は随伴していないのか・・・。

 だから、予め魔導具でプログラムした行動方針とおりにしか、大型ストーン・ゴーレムは行動しないので、此方にとっては単なる砲撃戦の良い標的でしか無いな・・・)


 恐らく、【フランソワ王国】軍と言うより【フランソワ王国】国王の【シャルレ・フランク三世】の目論見としては、【ソロモン】の使い魔の内【ソロモンの指輪】で自分の指揮下に置けた36柱を使い、大型ストーン・ゴーレムを前線で指揮させて縦横無尽に此方を翻弄するつもりだったのだろう。


 しかし、【ソロモン】の提案で此方の味方の使い魔36柱が、己を行動不能にする事で【フランソワ王国】側の使い魔36柱も行動不能にする事が成功したので、【フランソワ王国】国王の【シャルレ・フランク三世】の目論見は完全に破綻してしまった。


 なので、大型ストーン・ゴーレムは一度に最大で1000体しか魔導具で動かせず、全て倒されてから魔導具で大型ストーン・ゴーレムを同じく1000体生み出して、順次【閉鎖フィールド】を越えさせて攻撃しに来る訳だ。


 そんな考察をしながら、まるで手順通りの様に俺達は、粗方の大型ストーン・ゴーレムを行動不能にすると、そのまま殲滅戦をする為に接近しながら近距離武装用の兵器を、己の愛機に換装させる。


 軍団としての効率的な動きが出来なくなった大型ストーン・ゴーレム達は、凄まじい速度で突入して行く俺達に対してなす術もなく、只々蹂躙されて行くのだった・・・。


 2時間後には、只の石材と化した大型ストーン・ゴーレム達は、【オーディン】が戦場跡地に来て回収する事で、将来の建築資材として活用される事となる。


 ある意味、【フランソワ王国】国王の【シャルレ・フランク三世】は、ワザワザ【フランソワ王国】の石材を大型ストーン・ゴーレムにして、【ドラッツェ帝国】まで運んでくれている訳である。


 そんな皮肉めいた結果を、俺は帰還しながら共に戦った総勢63機の機甲部隊の仲間に開陳すると、彼等も【シャルレ・フランク三世】の正に草臥儲くたびれもうけを嘲笑した。

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― 新着の感想 ―
[一言] いやいや、何ですか?「草臥儲」って、普段は、読めませんぜ旦那!今回は、フリガナふってありますけど(笑)久々に聞きましたよ、いや読みましたよ!頭に「骨折り損の」が付きますけど、、
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