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第二章 第13話 お祭り準備

 リンナとリンネへの報告を終え、俺とアンジーは一緒に俺の執務室に向かい、此れからの報告相手と全国民への通達タイミングを考える事にした。


 確かに【オリュンピアス公国】の問題は一段落を終えたとは言え、何時か国土を取り返す為の準備を整える為にも、周辺国家群と肝心の【ドラッツェ帝国】との連携を図るべき局面だろう。


 しかし、国民に対して常に緊張感を強いる戦争状態を、ひたすらに持続させるのはあまりにも酷でも有る・・・。


 なのでこの際、先程の応接室でリンナとリンネから提案された、様々な催事を纏めて行う事を俺とアンジーは考慮に入れる事にした。


 新生ベネチアン王国の誕生祭と従来からベネチアンで行われていた豊漁祭、それに大公国首都で先の内乱で回収出来た地方領主達の回復を祝う、地方都市も巻き込んだ祝賀祭も式典込みで行うのも良いかも知れない。


 そう考えた俺とアンジーは、新生ベネチアン王国の首脳陣と民間企業や団体の代表へ、2日後に大発表を国民にする為の事前会議を明日行うと通達を出す事にして、アンナとミレイに円滑に進める為の人員を確保する様に各部署に働き掛けさせた。


 現在アンナとミレイは、アンジーの補佐役として各大臣ポストに対し報告を上げる、官房長官の様な立場に有り、かなり融通の効くポジションに存在している。


 なのでアンジーは二人の元に、各分野の大臣から有能な連絡役を赴任させる事で、二人を頂点とした【催事実行委員会】を開設させる事にした。


 後は、アンジーとアンナにミレイが此の非常に大規模になりそうなお祭りを仕切ってくれるだろうから、俺は軍事面と【ソロモン】達の取り扱いに従事する体制を組めた。




◇◇◇【アンジェリカ・オリュンピアス】視点◇◇◇




 当初は、私とヴァンの婚姻だけで済ませる話しだったのに、何時の間にか様々な催事を盛り込んだ、国家規模の催事を組み込んだ大掛かりのキャンペーンと化してしまったわ・・・。


 でも仕方無いのかも知れないわ。


 だって漸く【オリュンピアス公国】の軍人で私の直接の部下達が、【フランソワ王国】の捕虜収容施設から救出出来た事で、一連の対【フランソワ王国】の軍事作戦が一段落着いた事を意味しているし、その事を【オリュンピアス公国】からの疎開民全員が非常に喜んでいるので、公の形で新生ベネチアン王国として祝賀祭を行うのは理に適っていると思えたの。


 そしてアンナとミレイに私とヴァンの婚姻を話し、諸々のお祝いを兼ねた一大キャンペーンをしようと考えている事を伝えると、二人共大賛成してくれて自分達が主軸になって推進する事を承諾してくれたわ。


 そんな二人に、私は自分の本意を伝える事にしたの。


 「・・・アンナにミレイ・・・、信頼できる二人には私の本当の想いを伝えるわ・・・。

 実は、ヴァンの事なんだけれど・・・」


 そう言って、私は一旦眼の前に用意して置いた果物ジュースを口に含み、話しを続けた。


 「ヴァンは私達【オリュンピアス公国】の為に、信じられない程の努力と尽力をしてくれて、公国民を出来る限り辛い苦境から救ってくれたわ。

 そんなヴァンに対して、私達【オリュンピアス公国】出身の者達は、とてもでは無いけど報いて来たとは言えないと思うの。

 だけど私とヴァンが結婚する事で、ヴァンは私の夫になるので【王配】という立場に成るし、何れ私が彼との子供を設ければ、事実上此の惑星との縁をヴァンは結ぶ事が出来るの。

 彼が、未だに中途半端な親衛隊隊長としての立場に甘んじている事に、私は非常に不満だったし、実際の処はヴァンが新生ベネチアン王国の玉座に座って貰いたかったわ!

 でも、私の【王配】に成ることで、将来に有り得る周辺国家群を糾合した、【フランソワ王国】や【ドラッツェ帝国】を凌駕する大国に新生ベネチアン王国が成った際には、私の方が【王配】に下がり、ヴァンこそが大陸に於ける大国の英雄王と成るべきだと思うの!」


 そう自分自身の思いの丈をぶちまけてみたけど、英雄王と自然と口から飛び出した事に若干驚きつつも、その語感の良さに酔いしれてしまったわ・・・。


 同じ想いを抱いてくれたらしいアンナとミレイは、私の意を汲んでくれて、アンナが発言して来たわ。


 「・・・そうですね・・・、将来的にそうなる可能性は大いに有ると思いますので、今回の結婚式を期に少しづつ【オリュンピアス公国】出身の者達には周知させて行き、他の者達には予めヴァン様が伝説の存在で有る【星人ほしびと】な事と、その圧倒的な実力と凄まじい能力をアピールして参りましょう。

 きっとそうする事で、円滑なヴァン様への権力移譲と、国民の理解が進むと思いますよ!」


 そう言ってくれたアンナに同意と行った感じでミレイも頷いてくれて、私は信頼する二人が私の意見に賛成してくれた事が嬉しく思ったの。

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― 新着の感想 ―
[一言] ヴァンさんだけにヴァンヴァン斉って、いやぁ~詰まんないおやじギャグでした! まぁ、今後は、色々な下準備をするんでしょうね。こつこつと、進めていくでしょう。そして新たな敵が、、それともハーレム…
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