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第二章 第11話 俺とアンジーの新たなる道

 色々な俺自身の事情と、故郷の【アース】そして母の願いを、初めてアンジーに示した結果。

 アンジーはその綺麗な瞳に涙を溜めながら、俺に抱きついて来て、そのまま俺を正面から抱きしめ続けて来た・・・。


 「・・・ヴァン・・・、貴方の凄絶な生い立ちを初めて聞かせて貰ったけど、私よりも遥かに辛い旅立ちをそんな赤ん坊の頃から経験して居たのね・・・。

 でも、貴方はそんな辛すぎる生い立ちにも関わらず、私達と云う同じ祖先を持つ存在である【人類同胞】と出会い、そしてその世界と共に生きていく事を貴方のお母様のお陰で可能になった・・・。

 貴方が此の世界に辿り着くことで、貴方のお母様の願いは果たされて、私達と共に貴方は新たな人生を歩む事が出来る・・・。

 何だか不思議な気分ね、まるで私達は大いなる神々の御手で出会うべくして出会い、共に一人で抱え込むには大き過ぎる問題を、貴方はお母様の計らいでそして私は貴方との出会いで解決出来て行く・・・。

 きっと、これからも此の神々の御手と、私達の常に努力する姿勢で解決して行くと、私は信じるわ・・・」


 そう俺を抱きしめながら、アンジーは背中を撫でてくれて、その行動は俺を非常に落ち着かせると共に信じられない程の安心感を与えてくれた・・・。

 俺は、アンジーの背中に両腕を回し、柔らかく抱きしめて感謝の気持ちを言葉で無く、身体の動きで伝える・・・。

 

 それを汲み取ってくれたアンジーは、至近距離に有る俺の顔を見直し、額を寄せ合う事でボディランゲージを重ね合い、アンジー自身の此れまでの感謝と俺に対しての心情を伝えて来た。


 俺達は、自然な流れで唇を重ね合い、そのままの体勢で痛いほどに抱きしめ合う・・・。


 そして俺とアンジーは、此れまで我慢し続けていたお互いへの想いを口にしつつ、溢れる想いを身体を重ねる事で伝えあった・・・。


 どれ程、お互いを愛しているか・・・、どれ程、お互いに感謝しているか・・・、どれ程、お互いを大切に感じているか・・・、どれ程、お互いを必要としているか・・・、どれ程、これからも共に歩みたいと想っているか・・・、 etc. etc.


 俺は、アンジーに対し溢れる想いをぶつけ、アンジーも、俺に対し溢れる想いをぶつけて、俺達は初めて同衾する事となった・・・。


 どうやら俺達の状況をある程度察してくれたのか、本来なら様々な伝達が有る筈のアンジーの私室なのに、その夜は一切の呼び出しや報告は無く、俺に対して定期的に来る筈の[ヘルメス]の報告も無かった・・・。


 俺はアンジーの私室に初めて泊まり、翌朝まで同じベットで寝る事になった・・・。


 翌朝、目覚めた時にアンジーの横で起きた俺は、他人のベットで寝ていたのに、俺は緊張する事も無く、非常に寛いだ心持ちで休めた事実に、少々驚いてしまったが、きっとアンジーに対しての俺にある心の垣根が殆んど無くなったのが原因だろうと、心の片隅で感じながら、それとは比較にならない程のアンジーに対する愛しさが、身体全体から溢れ出してしまい、早朝にも関わらず隣で眠っていたアンジーを柔らかく抱きしめ、その額に接吻しながら髪を撫で上げる・・・。


 アンジーは身動ぎしながらゆっくりと目を覚まし、俺を視認すると顔を真っ赤にして顔を枕に埋めた。


 その様子を非常に可愛く想い、俺は優しく肩に手を回しそのまま髪にキスをした。


 「・・・アンジー・・・、君を俺は愛しく想う気持ちが溢れてしまって、とてもでは無いが抑えられないよ。

 それに、俺はもう君と離れる事など、とてもでは無いが我慢出来そうに無い!

 アンジー、どうか俺と結婚してくれないだろうか?」


 些か急過ぎるかも知れないが、俺は正直にプロポーズの言葉をアンジーに告げて、アンジーの返事をまった。


 乗せた俺の手越しにアンジーが肩を震わせて、緊張するのが伝わって来たが、徐々に緊張感が和らいだのか肩の強張りは溶けて行き、枕に伏せていた顔をアンジーはゆっくりと上げて、俺に向き直ると輝かんばかりの表情を浮かべて返事をして来てくれた。


 「ええ、ええ、お受けするわ、ヴァン!

 貴方のプロポーズを受けて、私は今、凄く嬉しいの!

 きっと天国に逝った両親や公国民達も、出来る限り【オリュンピアス公国】の為に尽力してくれるヴァンと私の婚姻を喜んでくれると想うわ!」


 そう言ってくれたアンジーに、俺は感謝の言葉を述べる。


 「アンジー、プロポーズを受け入れてくれて本当に有り難う。

 俺の方こそ、君と君の民達には感謝しても仕切れないよ!

 俺の様な異郷の人間を、快く受け入れてくれたのみならず、共に未来を歩むパートナーとして認めてくれたのだから・・・。

 此処に誓おう! 俺は君と君の民に対して、俺が受けた恩義に報いる為にも、俺の持つ全身全霊の能力と超技術、更には俺の運命を賭けて幸せに暮らせる様にこれからも尽力するし、必ず【オリュンピアス公国】の国土を【フランソワ王国】から取り戻して見せる!」


 「信じているわヴァン!

 貴方ならば、【オリュンピアス公国】のみならず、【オリンピア大公国】や周辺国家、そして【フランソワ王国】の国民も救ってくれる事を・・・」


 そして俺達は、アンジーの私室に有るシャワーを浴びて、身支度を整えてからリンナとリンネの部屋に向かう事にした。

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― 新着の感想 ―
[一言] おぉ~!まさかのラブシーン!旦那の初めて! いやぁ~、しっかし、その表現が、、ちょっとお堅い?! (笑)
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