第二話 異世界
目が覚めた。目の前には見覚えのない天井。うん、天井?
あれ?僕は死んだよな、、?いや、それは間違いない。
トラックに跳ねられた時の痛みは鮮明におぼ、、ウッ、思い出すのはやめておこう。
吐き気がする。
ガチャ。
ん?誰か絵屋に入ってきたな。誰だ、まさか、奥山くん、、?
は?なんだこの超でかい巨人は。僕の身長の10倍はあるぞ?!
や、やめろ近づいてくるな!!
ん?、あれ、これは僕の手か?俺ってこんなに小さくて可愛らしいまるで赤ちゃんのような手だったか?
赤ちゃん?
僕はその時理解した。僕は生まれ変わったのだ。
さっきの巨人、ではなく先ほどの女性はおそらく僕の母親だろう。
うむ、この女性、なんとも言えない美しさだ。
前世の頃にいた女優で言い換えるのならば、エ◯ワトソンよりも美しい。
その顔つきと綺麗な金髪を見るに、ここはヨーロッパの方であろう。
そしてなんと言ってもあの巨乳。
僕の母親ということは無条件であの乳を吸えるということか。
うん、死んでよかった。僕のこの考えを見ている君たちは転生前と後で性格が違すぎるのではないかと思っているだろう。だがそれは違う。僕はこれが素なのだ。
奥山くんにいじめられ、ただのいじめられっこに成り下がっていたこの僕ではあるが、中学校時代はこれでも女子にモテまくりの超イケイケ男子だったのだ。
つまりもう奥山くんにいじめられる心配のない僕は、もうビクビクする必要もない。
「アル〜、ご飯の時間ですよ〜」
きた、おまちかねのおっぱいた〜いむ!!!え、おいその手に持っているものはなんだ!!
まさか、、哺乳瓶?!
「あうー、たいあ!」
「ある?どうしたの?もしかして哺乳瓶が嫌なのかしら?」
「たい!!」
「んー、しょうがないわね。おいでアル、ママのおっぱいですよ〜」
一ヶ月過ごしてわかったことがある。
まず一つ目、僕はあくまでも地球の中で転生したと思っていたが、どうやらそうではないらしい。
ここは俗に言う剣と魔法の世界らしいのだ。それがわかったのはこの世界に来て一週間ぐらいのことだ。
いつも通り家の中を徘徊しているときに階段で手を滑らせて転げ落ちてしまったのだ。
その音を聞いて駆けつけてきた母親が何をしたと思う?
魔法だ。魔法を使って怪我を直してくれたのだ。その時彼女はこんなことを言っていたな。
「聖なる光よ、我が呼びかけに答えて、この者を癒したまえ。ヒーリング!」
目の前がパァッと光って気付けば体の痛みがなくなっていた。
素晴らしい。僕も早く魔法を使ってみたいが、まだ舌が回らないから使えない。
まあとりあえず、そんなかんじかな。
そして二つ目。僕がこの世界に転生したのは約一ヶ月前、しかしこの体の年齢は約半年だった。
つまり僕はこの体を持ち主から奪ってしまったのだ。これに関してはとても申し訳ないと思っている。
しかし僕は別に意識的に奪ったわけではないのでそこまで罪悪感はない。
そして最後、僕の名前はアルベルト-カールメイア、略称はアル。
これから僕はこの名前で生きていく。
ちなみに、父はルーラック、母はエリーゼだ。
エリーゼは魔法を使う時には詠唱を使っていたが、詠唱は必ずしなければならないのだろうか。
僕はこの世界の知識が少なすぎる。まずはこの世界の本を探すとしよう。