第一章 転生編 第一話 始まり
バーン!!!
「何回言ったらわかるんだ!この役立たずが!!!俺はコーラって言ったよな!」
ドン!視界が急に低くなり、背中に激痛が走る。
状況を理解するのに時間がかかっていると、肩に奥山くんの足が乗る。
「す、すみません、、、、コ、コーラが売り切れていて、、、、」
「そんなもん関係ねーよな?、売り切れてたらどうするんだっけ?おい!」
「が、学校を抜け出して近くのコンビニまで買いに行きます、、」
「あ〜、もういいわ。おい!片山、コーラ」
近くで見てみぬふりをしているクラスメイトが肩をビクッとさせてこちらを振り向く。
「わ、わかったよ、奥山くん、、」
この教室は地獄だ。
誰も僕を助けてくれないし、目があってもすぐに逸らされる。
僕がいったい何をしたというのだろうか。もうやだ、死にたい。もう生きていたくない、、、
放課後、僕は一目散に教室を駆け出した。
奥山くんに捕まってしまわないように、全力で。
なんでこういう時に限って信号に引っ掛かるのだろう。早く青になってくれ。
ドンッ!!!
「え?」
なんだろう、背中が痛いな。地面がいつもより近い気がする。
奥山くんたちの笑い声がするのは、きっと気のせいだろう。
後ろを振り向くとそこには奥山くんたちの姿があった。そして状況を理解する。
ああ、僕は蹴り飛ばされたんだ。
左からトラックが来てるな、もういっそこのまま死んでしまおう。
奥山くんたちもきっとそれを望んでいるよね。
そして、僕は死んだ。そう、死んだはずだったんだ。