生存報告
お久しぶりです。
生きてます。そしてゆっくりではありますが、書き進めています。
本当は全部仕上がってから投稿するのが理想でしたが、このままだといつまで経っても投稿できなくなりそうなので、一つの章が仕上がり次第、順次投稿していこうかなと考えています。
現在、あと一ヶ月あれば第一章が完成しそうな状況です。
まだ設定などが完全には固まっていないので、もしかするとまた収拾がつかなくなる恐れもありますが……その時は潔く、3作目に突入するかもしれません(白目)
更新頻度はかなり遅くなるとは思いますが、ぼちぼちと上げていく予定なので、気長に見守っていただけると幸いです。
折角なので、執筆中の新作のプロローグを載せておきます。(仕上げる前のものなので、細かい部分は変わる可能性が高いです)
今作のプロローグと比べると、大分整った文章になっていると自分では感じており、成長したかなと思っています。
私の成長、そして作品の投稿を、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
――目を覚ませば、何も無い空間が広がっていた。
光が差し込んでいないのか、真っ暗闇で何も見えない。床や地面が無いのか、足から何の感触も伝わって来ない。不思議なことに、自身が呼吸をしている感覚さえ無い。
五感から得られる情報が何も無い虚空に、僕だけが存在していた。
――死んだ?
不思議な世界で、何故か「死」という一つの単語が浮かび上がる。それは、心の奥深くに刻み込まれているような鮮明さだった。
では、死とは何だろうか? この不思議な空間は死を体現したものである、と言われればどこか納得出来る部分もある。が、死んだら何かを考えることさえ出来ないはずだ。こうして思案している現状とは矛盾している。
――え?
そうしてこの世界や死について考えを巡らせていると、身体に異変が起きた。
指先の一部があっさりと身体から剥がれ、暫く宙を漂った後に、虚空に呑まれて消えた。
呆気に取られていると、今度は指先だけじゃなく、脇腹まで剥がれ始めた。その剥離される場所はどんどん増えていく。
肉体、感覚、記憶、感情。己を構成する要素が、身体のあらゆる所から剥がれ落ちる。このままでは自分の存在すらも消えて、虚無の一部になる。そう確信させる事態に見舞われた。
頭が何かを考えるよりも早く、身体が必死に足掻いてみせる。しかし、剥離、消滅は止まらない。着実に、容赦無く己の全てを奪い去っていく。
きっとこの先には、本物の「死」が待っているのだろう。
底知れぬ恐怖を覚えるが、その感情さえも次第に薄れていく。
――死にたくない。
この状況から脱却する術を考える余裕も無く、その一言だけが僕の削られた意識を占める。
そうだ、死にたくない。僕は死にたくない!
僕は誰にでも優しく接することが出来るほど立派な人では無かったが、罪を犯すような悪人でも無かった。ごく平凡な日々を過ごしてきただけの、単なる一般人だったはずだ。
そんな僕が、こんな酷い目に遭う道理は無い。
それとも、死んだ誰しもが生前の行いに関係無く、こんな目に遭うのだろうか? 死ぬのがこんなにも辛いと知っていたのなら、もっと頑張って生きていたのに。死なない術を必死で探していたのに。
――嫌だ! 嫌だ! 嫌だ!
僕は足掻く。気が付けば、足掻いていた手足は消えていた。それでも、残された身体で必死に足掻く。身体が消えても精神で足掻く。一秒でも長く、僕が僕である為に。
だが、そんな強い想いと儚い抵抗を考慮してくれるはずも無く、喪失は止まらなかった。
「……死にたくない」
末路を悟ってしまった僕は、最期に死というものを心底呪った。
そして、この世界から消えた。




