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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

婚約破棄の結末

作者: 旅人

なんとなく酔っぱらったまま1時間で書いた作品です。


細かいツッコみスルーさせてください。

「シャルロット・フーリー。貴様との婚約は破棄しエリーと結婚する事をここに宣言する」


学園での最後のパーティーで17歳の王太子殿下が高々に宣言なさいました。


会場の大人たちは(何言ってんだ、こいつ)と頭の中でクエスチョンマークであふれている事でしょう。


ですが私たち学園の生徒たちは王太子殿下とその側近が一人の平民の女に熱を上げ、学園の規則を王家の威光を盾に捻じ曲げていたことを知っていました。


各々実家へは手紙でこの危機を知らせていたものの、大人たちは誰も本気にしてはいませんでした。


なぜなら、王太子殿下といえども王の命令には逆らえないからです。


また王の権力が絶対といえども貴族の支持を無視することはできないからです。


子供のお遊びぐらい多少目をつぶろうと考えていたのです。


「それは…王のご意向ですか?」


「違う、俺様が決めたからそうする。ただそれだけだ!!」


この世界において王とは神から統治を認められた特別な人間です。


この世界で唯一の宗教である太陽教の教皇から祝福を得た者以外は王になれない。


王太子という存在も次の王として教皇から認められた特別な存在なのである。


不慮の事故を除いて王太子が次の王である事は代えることのできない絶対の決まりです。


王太子はその絶対を利用したのである。


平民の女一人のために…いえ、それは違います。


王太子殿下はもっと恐ろしい方です。


未成年者として扱われる前の最後の年に、王が貴族たちがこの件をどう処理するか……確認していたのだと思います。


パーティーの場は大混乱に陥りましたが、側近たちが王太子殿下を宥め、その場にいた人間にはかん口令をひき収めてしまいました。


新聞では大きく報じられ太陽教の司祭たちも大混乱がおきましたが、協会への多額の寄付と市民へ弾圧により何もなかった事になったのです。


大きく報じた新聞のトップが入れ替わったのは王の指示だったのだと思います。


これがすべての始まりで終わりでした。




この婚約破棄騒動での市民への弾圧はびっくりするほどに過激でした。


飲み屋で王太子殿下の噂話一つしただけで投獄されたのです。


これは最近流行っている国民は神の下に平等だと訴えている市民団体への制裁を王太子殿下の不祥事を利用して行ったことも含まれていました。


それを指揮していたのは王太子殿下の側近の将軍のご子息だったことを気にする者は誰もいませんでした。


将軍のご子息が名誉挽回する為に張り切っているのだろうと軽く考えていたのです。


この時点で大人たちは王太子殿下を城で再教育する事が決まっていましたし、王が過激なのはすべての貴族が知っていたからです。


すべてが元通りになると思われていました。


ですが私シャルロットは王太子殿下の勝ちが決まったのだと絶望しました。


大人たちは王太子殿下の恐ろしいさを知らないのです。





不幸は続きます。


王太子殿下が引き起こした混乱が収まらない中、王が病気になり執務ができなくなってしまいました。


脳に腫瘍がでまともに言葉が話せなくなったのです。


王太子殿下が再教育される為に城に戻された直後に…王は脳梗塞になってしまったのです。


ここで貴族たちは決断を迫られます。


王太子を頭に据え傀儡とするか?


それとも急な病気により王太子殿下が死んでしまうか?


太陽教と我が国との関係はドライでした。


新しい王太子を認めていただくには多額の寄付をする必要があるのです。


我が国は豊かで平和な国ですが、最近国境付近で他国との小競り合いが起きており出来るだけお金を使いたくない…王太子殿下を傀儡としてトップに立たせることに決めました。


王が絶対的な権力を持っているといっても所詮17歳の子供です。


大人たちが一致団結すれば逆らえない…と思ってたのでしょう。




王太子殿下改め新王が実権を握るのは即位したすぐ後の事でした。


教皇からの祝福を受け、新王のパレードが終わった次の日に行われた貴族のみで行われる即位式で開口一番で教育係である私の父フーリー伯爵を新王即位のパーティーの場で将軍の子息に殺害を命じました。


どよめきが起きる中、将軍の子息で新王の側近である少年はただの一振りで私の父を殺害しました。


新王は王座に座ったまま貴族たちに訪ねます。


「ここで私に従うか、私を殺すか選んでもらう」


微笑みながら彼は決断を迫ります。


皆がどうおさめるか考えている中、フーリー伯爵にゆかりのあるバレット子爵に新王は訪ねます。


「バレット。貴様は跪いて私の靴を舐めるか、親族であるフーリーの仇をうつか。選べ」


ニッコリと笑う新王に誰も答えられません。


狂気が会場を支配しています。


「殺せ」


僅か10秒の沈黙の後、新王の声が冷たく響きました。


会場を警備している兵士の一人が剣を抜きバレット子爵を斬りました。


新王のシンパではない一般の兵士です。


会場の狂気に一般人が耐えられなくなったのです。


ここからは城から脱出できた一部の王族、貴族を除いて新王のいいなりになりました。


これがわが国で起きた婚約破棄の全貌です。




シャルロットがどうなったかって?


拷問された後、裸で城を追い出されて放置ですわ。


「ふふふ、こんなスラムの娼婦の話だと信じられない?でも、元伯爵家のシャルロットが服一つ着る事すら許されず城から追い出されたのは皆しってるでしょ?」


婚約破棄騒動からたった数ヶ月。王城で拷問され髪が抜け落ち、歯も抜け落ち見る影もなくなった私だが、嫣然と笑いながら今日も私は場末の娼館で汚い男の上で真実を語りながら狂ったように腰をフル…



新王が処分しそこねたルーシア王女が立ち上がる1年前の出来事である。



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