人間と猫
他の短編と少し繋がっているかも。
春になると必ず訪れるひとりの人間と猫がいる。
奇妙なことに私は彼らの言葉が理解できる。
長い年月を生きていたらわかるものなのだろうと、
風で揺れながら人間が頷く真似をする。
奇妙なことは私だけではない。
彼らの関係性もとても変わったものなのだ。
人間は猫のことを家族だという。
しかし猫は人間のことを夫という。
不思議なことだ。
彼らは種族が異なるというのに。
彼らはよく会話をしている。
しかし噛み合っているようでいて、
本当のところお互いが何を言っているか
わかっていないようだ。
難儀なことだ。
私のように長生きできればいいのだが。
しかし彼らは人間と猫。
叶わない夢だろうが、もしどちらかが
幽霊になれば、会話ぐらいはできるだろう。
その時は、満開の花を咲かせて祝福しよう。
春が待ち遠しいものだ。
読んで下さりありがとうござます!
また彼らについて書くと思いますので
よろしくお願い致します!