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サンゴとオニヒトデ  作者: 青海 嶺
9/26

9 薄茶色に濁る水

(落ち着け。一旦落ち着け、自分)

 まだ死ぬと決まったわけではない。

 シビレはすぐ収まるはず。

 でも、その前に、酸素ボンベが尽きたら?

 上半身までシビレが回ったら?

 酸素ボンベが尽きる頃になれば、仲間が心配して探しに来てくれる? か?

 いろいろな思いが脳内を駆け巡る。が、考えてもどうにもならない。


 ふと気づくと自分の周囲の水が薄茶色に濁っている。

 濁りの原因は自分だった。

 首をひねって尻のあたりを見ると、けっこうな勢いで血が噴出していて、それが水の中に拡散して薄茶色に海水を染めているのだった。


 血の匂いにつられたのだろう、小魚がたくさん寄ってきた。

(キレイだな)

 などと、感心している場合ではない。

 どこに隠れていたものか、けっこう大型のタコが現れて、グニョグニョと動きながらにじり寄ってきて、脚にへばりついた。

 タコは人間の死体を食べると聞いたことがある。

(いやいや、まだ死んでないし。生きてるし。でも、動けないから死体認定されても否定のしようがないんだよね) 


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