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サンゴとオニヒトデ  作者: 青海 嶺
8/26

8 ゆっくり沈降する

(痛えー)

 思っていたより深く刺さっていた。

 しかも何本も刺さってしまった。

 オニヒトデのトゲには毒がある。

 しかし、死ぬほどではないはずだ。

(でもけっこうたくさん刺さったな)

 青年はこぼれた死骸を回収し、次のヒトデは諦めていったん船に戻ろうと思った。


 海面に向かって泳ぎながら、尻に軽いシビレを感じた。

(次からは気をつけよう)

 船べりに出て、籠の中身を船内にぶちまけた。

 収穫は九匹だった。

 船頭は特に驚いた様子もなく、たんたんと死骸を水槽に運んだ。

 水槽の中はすでにヒトデだらけのようで、他のメンバーは明らかにもっともっとたくさん捕獲しているようだった。

(クソ)

 青年は、再び海底に向かった。

(もっともっと捕ってやる)


 尻のシビレが下半身全体に広がってきた。

(アレ、これはヤバイかも?)

 脚が動かなくなり、青年は水中に漂った。

 浮かぶことも潜ることもままならない。

 が、じっとしていると、徐々に海底に沈んでいくのがわかった。


 ――せいぜい気をつけるのだぞ。

 ――お前のようなお調子者は、かんたんに海に飲まれるからの。


 オババの憎まれ口が、走馬灯のように脳内を駆け巡った。







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