表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サンゴとオニヒトデ  作者: 青海 嶺
7/26

7 調子が出てきた

 青年は焦っていた。

(まずいマズイ! このままではビールを奢らされる!)

 いや、そういうことではない。


 しかし、さすがの青年も、だんだん調子が出てきたようだった。

 なんとなく暗い影をみつけ、

(あそこにいるな)

 と思うと、そこにほんとうにヒトデがいた。

(よし。すぐに追いつくぞ)

 青年は、次々に酢酸の毒液をヒトデに注射しては殺し、籠に入れていった。

(はいるだけ入れてやる)

 次に船に戻るときは、大量のオニヒトデを船上にぶちまけて、船頭の鼻を明かしてやるのだ。


 籠にはもう十匹ものオニヒトデが入っている。

 かなり重い。

 潮の流れに青年は体を持っていかれそうになった。

(でも、もう一匹だけ。もう一匹捕ったら船に戻ろう)

 青年は次のヒトデを見つけた。

 そこに近づき、注射器を持った手をヒトデのほうに伸ばした。しかし、あとちょっとなのに届かない。無理な姿勢で腕を伸ばす。

(あと5センチ)

 青年はバランスを崩して、転びそうになった。その拍子に、籠から何個かの死骸がこぼれおちた。

(あ、しまった)

 青年は、こぼれるヒトデをつかもうとしてさらに体勢を崩した。

 そして、こぼれたオニヒトデの真上に尻もちをついた。

 オニヒトデのトゲは、ウェットスーツを貫いて、青年の尻にブスっと刺さった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ