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サンゴとオニヒトデ  作者: 青海 嶺
18/26

18 笑うヒトデ

「どこだどこだ、その元人間ってのは?」

「こいつだよ。自然保護活動とやらをしていたそうだぜ」

「へえ。俺たちは別に保護してほしいと頼んだ覚えはないけどな」

 青年を取り囲んだオニヒトデたちはゲラゲラ笑った。

「し、自然保護の何がおかしい?」

 ヒトデたちの笑い声はさらに高まった。

「ひー」「く、苦しい」「腹が捩れる」「お腹いてえ」

「笑うな!」

 笑い声がピタリと止んだ。

 そしてヒトデたちが口々に喋りだした。

「じゃあ訊くけど、クジラやイルカやサンゴは大切で、どうしてヒトデは大切じゃないの?」

「その差別の根拠は何なの?」

「あるものは守り、あるものは駆除、それって人間のエゴじゃん?」

 青年はうろたえた。

「で、でも、人為的に持ち込まれた外来種なんかは、やっぱり本来そこにはいるべきじゃないわけで」

「人為だろうがなんだろうが、そこに移動してきた命は、もうそこで生きているんだし、そこで新たな生存競争がはじまるのが自然の摂理なんですけど?」

「でも、そうすると外来種によって、固有種が駆逐されたり……生物多様性が損なわれて……」

 青年がそう主張すると、ヒトデたちは、またゲラゲラと笑い出した。


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