表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サンゴとオニヒトデ  作者: 青海 嶺
14/26

14 食物連鎖の果てに

 どれほどの数と種類の水棲生物が青年を食べたのかは誰にも分からない。

 一番食べたのは、最初に青年に襲いかかったサメだったろう。

 だが誰が一番たくさん食べたか、それは問題ではない。

 魚やタコやカニや、その他その他の生物に食べられた青年は、やがてウンコとなって、海中に排泄された。

 ウンコとなって、海に放出された元青年の成分は、植物プランクトンに食べられ、その植物プランクトンはまた他の動物に食べられ……と、目も眩むような食物連鎖の流れの中に広がっていった。

 そうして、気がつくと青年はサンゴになっていた。


 青年が人間としての短い生涯の最後に取り組んだのは珊瑚礁の保護活動だった。

 いまサンゴになった青年は、なにか運命のようなものを感じていた。

 サンゴとなった青年が今いる珊瑚礁は、かなり遠洋に位置していて、ダイバーや観光客たちが訪れることはなかった。

 だが、人間だった頃に話に聞いたとおり、そしてダイバーとして実際に見たとおり、珊瑚礁には本当にたくさんの種類の生物が集まってくるのだった。


 ある時、彼は直径が50センチもある大きなオニヒトデの姿を見つけた。

 オニヒトデは次第に近づき、彼の上にすっぽりと覆いかぶさって、むしゃむしゃと食べ始めた。

 気がかりな夢から目を覚ますと、青年は自分が一匹の大きなオニヒトデになっているのを発見した。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ