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サンゴとオニヒトデ  作者: 青海 嶺
10/26

10 タコの愛撫

 脚にへばりついた大きなタコは、青年の尻のあたりに移動し、どうやら血を吸っているようだった。

 尻、というか、腰のあたり全体がグニョグニョするタコに覆われ、へばりつかれていた。かなりの力で締め付けれれているような気もするが、腰のあたりも既にシビレていてよくわからない。

(女の人に抱きつかれたらこんな感じだろうか?)

 青年は、ふとそう思った。

(そんなこと考えてる場合じゃない!)

 それに青年は三十路をすぎてもまだそういう経験がなかったので、考えてもどうせ分かるはずはなかった。

(ああ、尻がシビレていなければ、もっと気持ちよかったかもしれない)

 あきらめの悪い青年だった。


 周囲の水の茶色い濁りが濃度を増していた。

(なんか、俺、タコに食べられてないか?)

 青年は気になって尻を見ようとしたが、もうシビレが首まで昇ってきていて、首を動かすことが出来なかった。

(本格的にヤバいかも)


 青年の背後から何かが近づき、青年の真横を通り抜けた。

 通り抜けてから、青年はその大きな影を見た。

 サメだった。





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