表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球から追放されたけど、お土産付きで帰ってきます。  作者: 火曜日の風
1章 宇宙遭難編
6/80

5話 メンタリスト


「では織田、最初の質問はこれから言うルールを守って返答してください。

 いいですね?」


 城島瑠偉は腕を組みながら、若干頭を右向きにしながら言った。

 しかし、呼び捨てと敬語の組み合わせは何とかしてほしいな、イラっと来るんだが。


「わ、わかった」

「まず、返答は私の目をしっかり見て答えてください。そして返答は、すこしの間も開けず即答でお願いします、この2点だけなので、とても簡単です。

 よろしいですか?」


「わかった、何でも聞くがよい」


「飛行機で私達がパニック状態のとき、周りの状況を確認したと言われました、目を見て即答で答えてください! 私のパンツの柄は何?」


「水玉柄だな・・・」

 っち、思わず答えてしまったな。


「やっぱり、見てたんだ」

「所詮は男だな、おっさんだし、カスだな」


 出雲麻衣と佐久間美憂は軽蔑の眼差しで俺を見ている、そうスカートの中身ごときで…


 心の狭い奴らだ。


「おいおい、スカートの出雲は分るが佐久間はズボンだろ、ついでで俺を煽るなよ、あと、おっさん、おっさん言うなよ、気分は20代の俺の心が凹むから」


「なんだ織田さんは打たれ弱いのか、あと美憂と呼んでくれない?

 佐久間と呼ばれるの嫌いなんだ」


「私もー! 麻衣って呼んでね。

 あと、二つ名く深淵の>を付けてくれるとキュンキュンします」


 深淵の麻衣、危険な香りのする性格だな、まぁ胸と見た目は好みだが…


「付けるわけねーだろ」

「えー、付けて読んでくれると、私と貴方の心の距離が少し縮んだのにねぇ~、残念ですねぇ~?」


 麻衣と美憂との問答の切れ目を見計らい、城島瑠偉が次の質問を始めた。


「織田、次の質問です」

「お、おう・・・」


「物理法則の壁は越えられない、と言いましたね。では、瞬間移動の原理はどういった理論を使ってますか?」

「光の速度で移動してるだけだな…」

「そうですか・・・光の速度で進んでいるだけですか・・・」


 城島瑠偉はそれから何も言わず、こちらを見ている。


 見ている。

 見ている。

 見ている。


「わかたったよ、城島瑠偉! ご察しの通り地球の時間は進んでいるよ。12年な!」


「「じゅうにねーーんーー!」」

 麻衣と美憂が大声で驚いている。


「そう12年だ、つまり君たちの地球での戸籍は、30歳のアラサーだ!

 三十路デビューおめでとう!」と、俺は拍手をしながら煽ってやった。


 城島瑠偉は胸ポケットに刺さっているペンを握りしめ、俺の太ももめがけて振りかざした。


「うおぉぉおい……な、なにすうんだおっ」

 と俺は素早く後方に移動し回避する、驚きのあまり噛んじまったな、かっこ悪い…


「冗談ですよ、次、煽った発言したら本当に太ももに突き刺します」

 城島瑠偉はペンを胸ポケットに差し込み再び腕組をする。


「冗談って・・・刺される寸前だったぞ?」

「あと、なぜ私達が18歳と分かったんですか?」


「なんでって、飛行機の中で高校生活の話とかしてただろ? 決定したのは卒業旅行ってキーワードだな、高校卒業イコール、18歳だ」


「操縦席って客席の声聞こえるんですか?」

「なに言ってるんだ? 後ろに座っていただろ視界に入ってなかったのか?」


「そういえば一人座っていましたね、それでパイロットさんは今どこに?」

「俺が見た時には居なかったな、たぶん最初の方で宇宙に放り出されたと思う」

「なるほど、わかりました」


 なんだろうな? なんか喋ってしまったな。

 しかし意外と大事にならなかったな、だが人が死んでるのに冷静だな、城島瑠偉、恐ろしい子だ。


「では最後の質問です。私達は、なぜか飛行機の中じゃなく外に寝かせられていました、普通は座席に寝かせて介抱しませんか?」

「新鮮な空気を吸わせてあげたくてな、外に出した」


「つまり、私達で呼吸できるかどうか、実験したわけですね?」

「そういうことになるな・・・・」


 本当に何だろうな、目を見てたら何故か喋ってしまった。


「ふふふふふっ、貴方って隠しごとができないタイプですね? 皆には黙っておきます、貸し一つですよ?」

「黙ってるって、聞かれてるだろ? ってあれ居ない」

「彼女たちは先ほど、お花を摘みに行きました」


 いつの間に行ったんだ、気づかなかったな、しかし変な奴に借りを作ってしまったな。


「城島瑠偉、お前何者なの? 探偵なの? 心理学者なの?」


「数日前に高校を卒業した、ごく普通の元JKですよ? あと、フルネームで呼ばないでいただけますか? 気持ち悪いです」


「じゃぁ、城島」

「名字で呼ばれるのも嫌いです、しかも呼び捨てだし」

「なら瑠偉」

「気安く下の名前で呼ばないでもえます?」

「じゃぁ、どするんだよ、おい」

「冗談ですよ、好きに呼んでください」


 っく、もてあそばれた・・・・


「しかし、麻衣と美憂は遅くないか? ……これは大だな」

「下品・・・太ももにペン刺しますよ?」

「す、すまん・・・」


 しばらくすると、木々の間から麻衣と美憂が出てきた。

 麻衣が右手を上げ大きく手を振っている

「おーーーーーーーーーい」


「なにか、あったのか?」

「さあ? なんでしょう?」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ