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地球から追放されたけど、お土産付きで帰ってきます。  作者: 火曜日の風
2章 地球激闘編
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4話 長い話


 円形のテーブルに11人の男女が座り話し合いが始まった。


「中条いいのか? 孫がのびているぞ」

「儂の孫ではないな、そなた(兼次)の嫁だろに」


 俺は結婚してないし、年齢が釣り合わないだろう、なるほどボケちゃったか中条は。自称嫁なら居たが、俺が宇宙に漂流している間に60歳を過ぎている事になる。アゴに手を当て考えても出てこない、遠い過去には結婚してたが死別したし・・・


「白井夜巳、そなたの嫁だろう」考え込んでいる俺を見て中条はもう一度念を押してきた。


 その嫁(白井夜巳)は自身でそう言っているだけのストーカーだ、始めて会った時から<やっと会えた>とか訳の分からない言葉を発して、抱きついてきた娘である。年齢は20代だったはずが、そこで気絶している物体は、どこから見ても子供だ。


「年齢が釣り合わないんだが?」

「詳しくは聞けなかったが、転生したそうだ」


 転生か、そんな事ができる能力者だったのか?


「予知能力者だったはずだが、転生できるのか?」

「先ほども言ったように詳しくは知らん、そなたの嫁だし後で詳しく聞けばよかろう。それより、もっと重要なことを、聞きたいのではないのかね? 儂もそなたに聞きたいことがある」


 円形のテーブルを見渡し各々の顔を拝見する、中条と彩音以外の視線が、発言をしている俺や中条ではなく、異星人であるテナに視線が集まっていた。

全員とっても聞きたそうな顔をしてる。


「回りくどい話は嫌いだ、現状を3行で説明してくれ、簡潔に解りやすくな!」


 瑠偉達が<もうちょっと詳しく聞きたいんだけど>と言う声が聞こえてきそうな顔を、俺に向けてきた。瑠偉達は中条の性格を知らないのだろう、彼は伏線を張って話を逸らし続け、本題に入るまで、かなりの時間を要するお話し好きだ。そしておそらく老人特有の同じ話を繰り替えす事もするはず。


 そんなわけで先手を打たなければならない、延々と2,3時間話されたらたまらないからな。


「ふむ3行か……

 そなたが居なくなってから我々の組織は無事世界各国を支配下に置いた。

 国境を無くし内戦紛争も沈静化し平和な日々が20年ほど続いたぞ。

 しかし突然それは現れ生命を飲み込み消していった、あらゆる手段を使ったが撃退するには至っておらん。

 以上、それが今の世界の現状だ」


 なるほど戦争して支配したわけではなさそうだな、あらゆる手段なら核ミサイルはガイルアに当てたが、見事に効かなかった訳だな。

 彼らの侵略戦争に使用した可能性もあるので、一応確認しておくか。


「核ミサイルはそれ(ガイルア)に当てたんだろうな? まさかお前らの征服戦争で使った事は無いだろうな?」

「当然だ、我々は平和的に支配している」


 俺はテナの方を見るがいつも通りの無表情だ、ガイルアは俺が何とかするとして東京の放射線を何とかしないといけない。キプロス星の科学力で除染できないか聞きたいところだが、今聞くと中条達に聞こえてしまう、仮に除染が可能ならそれを交渉材料にしたい。


「では儂の番かな」

「手短に頼むぞ」


 しばらく考え込んでいた俺を見て、中条が先に話しかけてきた。


「アメリカ上空に出現した構造物はそなたと関係あるのかな?

 そなたは宇宙空間から、どうやって戻ってきたのじゃ?

 そちらの桃髪の方は、見るからに地球人じゃないのだが異星人じゃろ?


 それらを総合的に見て、出現した構造物とそちらの異星人は関係があるように思える。

 その異星人を連れてきたということは、そなたと関係があるのじゃろう。

 つまりどういう事じゃ?


 そちらの3人の娘さん達はどうするかのう?

 しかし、その娘さん達は強力な力を感じるのだが、どんな能力者なのだ?

 偶然飛行機の居合わせたにしては・・・3人とも能力者とはなにやら因果を感じるのぅ」


 手短にと言ったはずが、聞いてなかったのか? しかも質問の数が多いしまだ続くらしい、ここは中条の話の途中だが、話にかぶせ強制的に答えを出す事にした。


「推測通りその構造物はそこに居る異星人の元居住区だ、現在は俺の家となっている。今は移動中だが太平洋上空の公海上で停止しするつもりだ、いずれは国家の樹立を宣言させてもらう。

 まずは先にあれ(ガイルア)を何とかしよう」


 3人の女子に手を向け続ける「この3人については落ち着いてから話し合おう」


「まだ話の途中じゃったのだが……まぁよい、異星人の事や国家宣言ついては、いずれ協議するとしよう。一番差し迫った問題は、あれについてだが我々は<死の流動体>と呼んでおる。


 我々の能力はもちろん、核ミサイル、銃、電磁波など現在考えられる兵器で挑んだのだが、全て効かった。そのおかげで<死の流動体>に一方的な攻撃を受けている現状じゃ。

 現在の地球人口は20億を切っておる、絶滅した動物も数千種類あり生態系も乱れておる。


 現在の我々は、逃げながら細々と生きている状態じゃよ。

 あぁ、そうだな<死の流動体>ついてだが、あれはそなたを宇宙に送った後、我々は‥‥…」


「まてまて、その演説はあとどれくらい続く?」

「演説ではないが…まぁ2時間ぐらいで終われると思うぞ?

 まずアメリカ上空に現れた‥‥…」


「まて、言っているだろう」と強めの口調で中条を止める、くだらない話を2時間も聞く気はない、しかも最初に戻っているし・・・


「その<死の流動体>についてだが情報がある。テナ、ガイルアについての情報を頼む」

「わかりました、お話しします」


 それから、テナ=シエルによってキプロス星の過去やガイルアとの戦いの末路が話された。

 俺達は一度聞いた内容だ、彼らはガイルアの恐ろしさやキプロス星の末路を神妙に聞いていた。


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