表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球から追放されたけど、お土産付きで帰ってきます。  作者: 火曜日の風
1章 宇宙遭難編
1/80

プロローグ そこは異世界でした?


 そこには木しかなかった、木が陸地を全て覆いつくしていた、生きた森の気配がしなかった、只々、光が降り注ぐだけであった。

 わずかに聞こえる水の流れる音とかすかに聞こえる木の葉を揺らす風の音。


 そんな場所に小型ジェット飛行機は着陸していた、しかしそれは車輪を出さずに倒れた木の上に乗っかっている、全くの無傷で。

 その近くに男性1人女性3人が集まっていた。


 まずは、10代後半程度に見える、女性。

 黒い髪が肩甲骨までまっすぐ伸びて前髪は眉の上で揃えられている、白いシャツにプリーツスカートを履いていて、何故か胸ポケットにペンが刺さっている。


 そんな彼女は近くにいる男性に語り掛ける「おっさん、ここ何処ですか?」


「おっさんじゃねー、織田(おりた)と呼べ」

見た目が30代中盤の短髪の男性で、ジーンズにチェックのワイシャツを着た年相応のいでたちである。


「では織田(おりた)、ここは何処ですか?」と先ほどの彼女が言い直す。


 織田(おりた)は若干険悪な表情で言った。

「君たちは、長い時間気絶していたから詳細は分からないだろうな」そう言うと若干の間を取り、3人の女性を見まわしながら言った。


「結論から言う、ここは地球ではない!!」


「異世界転生キタァァァァァァァァァァァァァ!」


 そう声を張り上げたのは、栗色のツインテールに眼鏡が似合う女性で同じく年齢は10代後半だろう、太ももが半分見えるフィッシュテールスカートにリボン付きのふわふわの上着を着ている。


 彼女はそう言うと、右こぶしを空に突き上げとても嬉しそうな表情をしている。彼女はその右手を広げ織田(おりた)に向けた


「ファイヤーボォォォォール!」そんな彼女の表情はとても真剣だ。


 しかし、何も起きなっかった。


「アイスニードルー!!」

「ウィンドカッター!!」


 しかし、何も起きなっかった。


麻衣(まい)、出ないから・・・現実見よう?」


 そう言ったのは、織田(おりた)と同じぐらいの身長の短髪の女性である、少し日焼け気味の肌にジーンズとTシャツを着ている、女性らしい体型と言うより若干筋肉質のようである、その忠告を聞いてなかったのか、麻衣(まい)と呼ばれた女性は興奮が収まりそうにない。


「イメージか? イメージが足りないのかぁぁぁ!」


 麻衣(まい)は興奮を収めようとしているのか、肩で息をしている。


「と、とりあえず。ステータスオープン!」と麻衣(まい)は人差し指を胸の前に突き出して言った。


麻衣(まい)? 出ないですよ? 落ち着こうね?」と髪の長い女性が諭す。

「う、うん」と麻衣(まい)は力なく返答した。


 そして麻衣(まい)は深呼吸を数回して頭を少し上げどこかに向かって話し始めた。


「一体ここはどこだろうか? 木々が生い茂っている、熱帯地域か?  それとも、無人島か?  生き物の気配がしない。何故だろう?  なぜ私は此処に居るのだろう? ここは異世界? きっとそうに違いない! ここで、生死を分けた激しい冒険が幕を開けるのだろう! そう、麻衣(まい)は思うのであった。」


「な、なんだ?」と織田(おりた)が問う。

「ナレーションよ」と麻衣(まい)は冷めた表情だった。

「な、なれーしょん? は?」

織田(おりた)麻衣(まい)に聞き返したが麻衣は答えなかった。


 しばしの静寂の後、長身の女が切り出した「とりあえず、織田(おりた)さん。説明をたのむ」

「その前に、俺は名乗ったから名前だけでも教えてもらっていいかな?」


「仕方ないですね。私は、城島瑠偉(きじまるい)といいます」とストレート髪の女性

「私は、出雲麻衣(いずもまい)よ」とツインテールの女性

佐久間美憂(さくまみゆう)だ」と短髪の女性


「改めて俺は、織田兼次(おりたかねつぐ)という。オダと書いてオリタと読むぞ間違えのないようにな!」と言いながら、織田(おりた)の目線は女性3人の胸元を比べるように見ていた。


「ちなみに私も、ジョウジマと書いてキジマ読みます、間違えたら……」と言うと若干の間を開け胸ポケットのペンを握りしめ織田(おりた)に言った。

「このペンを、貴方の太ももに突立てグリグリさせていただきます!」と瑠偉は若干殺意がこもっていた。


「え?」

「ふふ、冗談ですよ…ところで自己紹介の後、とっても失礼な事を考えてませんでしたか?」と瑠偉は見下すような目つきで織田(おりた)に尋ねる。

「何言ってるんだ? 普通に聞いていたぞ?」と織田(おりた)


 瑠偉(るい)の眉間にはしわが寄っている「そうですか? 舐めるように全身を見てたような気がするんですが? 特に胸元を」

「そ、そんなわけないだろ? 俺は紳士だぜ」と織田(おりた)は視線をずらし言った。

「そうですか・・・まぁいいでしょう。続けてください」


「よし、では説明を始めよう! なぜ、我々がここにいるかを!」

 と織田(おりた)は腕を組んで話し始めた。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ