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最弱を演じる者

宜しくお願いします。

─プロローグ1─

1人の少女と1人の少年が対面していた。

少女は、とても、楽しそうな顔をして、少年は面倒くさそうな顔して。

「あのさー、僕こんな戦いしなくてもいいと思うんだよね。だって、ほら、もう僕が君に負けることなんて、分かりきっていることでしょ?」

「っふん!!なにを、言っているの。君は、本当の実力を隠しているというのに?」

「本当の実力?なに、それは、僕が君に実力を隠しているとでも、言いたいのかな?」

「ええ、そうだわ。君は、私に、いや、もっと言えば、《《この学園に在籍している生徒全員に自分は、弱いと認識させている》》。そうでしょ?」

「いやー、だからね。意味が分かんないよ。僕が、実力を隠しているだの、それも学園にいる生徒達に、自分が弱いと認識させているのも。それは、唯君がそう感じただけでしょ?」

「ええ、そうだわ。私が感じただけ。でもね、私の勘って凄く当たるのよ?」

「そうなのか。まあ、それは、良かったな」

「なに、その適当さは。まあ、いいわ。今からそれが、分かるだろうからさ。君が、強いってことがね?」

少女は、とても楽しいに、子供がなにか悪巧みを思いついた時のように笑った。

少年は、というと。面倒くさそうに、髪の毛を手でクルクルと巻きながら苦笑した。

(はぁー、どうしてこうなっちゃたんだか。絶対に、学園長と生徒会長を僕は許さないからな)

****

ロス・インディオス学園。

それは、広大な土地を持ち、魔法士育成機関として世界に名を馳せている学園である。

それ故に、各国から入学者が絶えない。

そして、最近の学園では、こんな噂が流れていた。

──1000年に一度の逸材が入学してくるかもしれない。それも、超絶美人が。

と。男子生徒は、その噂を嗅ぎ付けると、絶対にお近づきになって、自分の従者パートナーにしてやると奮起した。

そんな様子を女子生徒は、冷たい目で見るのだ。

そんな、噂が流れ始めてから、数ヶ月後。

ロス・インディオス学園の入学試験当日になっていた。

ロス・インディオス学園の入学試験は、筆記試験を行わなず、実技試験の結果のみで合否。

所謂実力至上主義なのだ。

「えーでは、まもなく試験を開始したいと思いますが、皆さん準備は宜しいですか?」

少しどんよりした声で、司会者がそういった。

誰も反応することは、なかったため、司会者は、それを肯定ととったみたく、試験相手が誰かを告げて言った。

(………え、うそー。まじで、1000年に一度の逸材とか言われている人が試験相手とかついてなさすぎじゃないか………)

そうな風に思っている少年の名前は、グリエール・リチャードだ。

中世的な顔立ちをしていて、所謂イケメンという部類に属すであろう顔であった。

一方1000年に一度の逸材と言われている少女クリスティーナ・リーエルは、こんな風に思っていた。

(……私は、誰がきても負けることなどことなんてない。私が試験相手となった、彼はさぞかし気の毒なことだろう)

クリスティーナ・リーエルは、完全に対戦相手を見下していた。

「えー、では、確実試験に取り組んでください」

そう、司会者が告げると、試験を受ける生徒達は、どこかへ転送されていった。

*****

リチャードが転送されたところは、なにもない空間であった。

「あら、君が、私の相手のリチャード君かしら?」

クリスティーナは、リチャードの姿を見つけるとすぐにリチャードのことを挑発するのであった。

「ああ、そうだな。なんと言うか、とてもいやだよな。だって、1000年に一度の逸材とまで言われている人が、試験の相手になるんだからさ」

「なに、もしかして、もう諦めている感じなの?まあ、仕方がないないわよね。だって、私強いし、誰にも負けないしさ」

クリスティーナは、勝ち誇ったような顔をした。

「ああ、まあな。でも、俺は、君に負けるつもりはないんだわ。俺どうしてもこの学園に入らないといけないからさ」

「ふふ、冗談が上手いのね。この私に勝つですって。そんなことは、不可能なことよ。私は、世界一強いんだからね」

「はは、そうか。世界一強いか。じゃあまあ、勝てずとも、僕はこの学園に入学して見せるからな」

「っは、なにを言っているのかしら。この学園に入学する?そんなこと無理に決まっているでしょ。だって、この試験は、負けた方は、どんな理由があろうと、不合格となるってね。まさかそんなことも知らないのかしら?」

「知っているよ。勿論。でも、それは、負けた場合の話であって。負けなければいいだけの話でしょ」

「そうですけど。まあ、いいです。早く試験を始めましょう。私、今貴方をボコボコにしたい気分ですから」

「そうだな。じゃあ、始めるとするか」

そして、戦いは始まった。

「じゃあ、まず私から行かせてもらいますよ!!天地を砕け!!【ゴーレム】!!」

クリスティーナが、そう言うと、地面からゴーレムが出てきた。

(っくそ!!こいつ地属性魔法使いだったのか!!)

「驚いたかしら?私が、地属性魔法を使って。まあ、そうでしょうね。だって、地属性魔法は、とても奇異な魔法だものね。でも、私の実力は、こんなものじゃないのよ。他の魔法も全部使えますから」

(ぜ、全属性持ちだと!?なに、それチートじゃない。というか、さっきは、勝てる可能性はあると思っていたけど、本当にこんな奴に勝てるのか!?)

「ゴーレム、行きなさい!!あいつを踏み潰して!!」

そう、クリスティーナが、命令すると、ゴーレムがリチャードの方へと動きだして、近づいてきた。

そして、ゴーレムがリチャードへ攻撃してきたところを避けて、リチャードは、クリスティーナの真後ろに行き、剣を振りかざした。

しかし、その剣は、クリスティーナに当たることはなかった。

クリスティーナは、涼しい顔をしてリチャードの攻撃を避けたがクリスティーナは、と内心とても驚いていた。

(いつの間に、私の後ろに!?もし、私が風属性魔法【疾風】を発動していなければ、確実に私は負けていたわ。こいつは、油断したらやられる)

一方リチャードは、感心していた。

(よく、避けたな。というよりも、魔法が優れているのか。【疾風】を使うとは、これは、厳しい戦いになるかもな)

それから、クリスティーナとリチャードの戦いは、続いた。

「………はぁ………はぁ…………」

クリスティーナは、息を切らしていた。

(やばい、このままじゃ私が、負ける。早く決着をつけないと)

「息切らしているみたいだけど、大丈夫?」

「だ、………大丈夫よ!!あんたこそ大丈夫なの?」

「僕かい?僕は、まだ余裕だね。あと、数時間は、この感じで戦えるよ」

クリスティーナは、絶望するのだった。

(嘘でしょ。あいつどんだけ体力あんのよ。こっちは、いっぱいいっぱいだと言うのに)

「じゃあ、そろそろ決着でもつけようか」

そう言うと、リチャードは、剣を持ち集中仕出した。

クリスティーナは、これがチャンスだと思い、今現在で使える最大魔法である雷魔法である、【雷撃】を放つために、魔術式を詠唱し出すのだった。

そして、クリスティーナが【雷撃】を打とうとしたとき、

「そこまで!!」

という声が聞こえた。

そして、その言葉の続きは、

「両者ともに合格とする!!」

だった。

その言葉を聞いた瞬間にクリスティーナは、気が抜けてその場にへたり込んでしまった。

リチャードは、涼しい顔で立っているのだった。

そして、二人は、始めの場所へと転送されるのだった

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