ある日の恭二さん
お馬鹿小説コーナーへようこそ~。
訳が分からない方も居ることでしょうが、安心して下さい──私も何が何やら分かりません。
お馬鹿小説……ワカラナイ。
如月がコートを羽織って、夜の道を歩く。六尺と三寸、されどその肢体は現場仕事のせい──もといお陰で太ましく育っていた。介護と言う、不規則な生活で培われた駄肉は今やその鳴りを潜めている。
とは言うものの、腕回りがとうとう一尺となったことは、最近彼の些細な悩みだった。
歓楽街に蔓延る客引きを、覚束ない足取りで回避する。
──今日は気持ちよく酔った。俺の邪魔をするんじゃない。俺は静かに酔いを醒ましたいだけなんだ。
スマートフォンの画面には、会社の面々とは別に友人からの一言も通知されていた。
そこにあるのは、「飲兵衛」や「酒呑み妖怪」の単語と、一人酒の時間が長すぎることに対する言及だ。
「お前も呑むだろうが!」と思いつつ、彼はゆっくりとした動きでタイピングして行く。
隣に座った酔っ払いが「兄ちゃん、いい手つきしてンなあ」と言ってきた。それに対し、如月はにっこりと会釈をして返信する。
そこには、平仮名で、“とぅぎゃざあしようぜ!”とあったのだった。
次回
「おい、10面体ダイスは?」
「先輩もってンじゃね?」
「──何故バレたし」