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日本政府所属?異世界航空自衛隊です。  作者: 葵流星
帝国を与えられし王
69/150

皆既月食作戦 Ⅲ

用語解説

・午砲

通常の大砲ではなく、現在の時報にあたるもので12時になると撃たれる大砲のこと


・コカトリス(兵器)

対空兵器として開発されていた物

空戦猟兵に対抗する兵器として少数配備されているが、民衆に向けての使用が想定されていた。

射程は150m


・空戦猟兵

魔法による翼を持つ兵士で各国に存在する。

機関銃や航空機の登場により配備される人数は少なくなっているが、騎兵についで残っている。

装備は一般的な歩兵と変わらない。

「作戦のことはもう聞いているけど…。」

「いえ、最終確認と懸念事項の確認です。」


なにかと紅茶が飲みたくなってきた俺だったがひとまずはSophiaソフィアの話を聞くことにした。


「Sri Ganganagarガンガナガルまで車で走るだけじゃないの?」

「言うのは簡単ですけど、行うのはかなり難しいです。」


そう言うと彼女は立ち上がり地図を取り出し机の上に置いた。

そして、彼女は地図の上に魔法で赤と青の駒を置いた。

赤い駒は、南側の主要都市にあり北部は青い駒があったが少数だった。


「これは、どういうこと?」

「現在、私達の状況よ。」

「抗議デモ団体はSangam Viharサンガムビハールに居るんだよね?」

「ええ、でも実際のところは革命派が大きく一時的に手を結んでいる状態でこの様に表示しています。」

「なるほど…。」


最前線になると思われるのは両者が居るアフマダーマード、インドール、ナーグプル、パトナーにかけての東西のラインだと視覚的にわかった。


「これなら、話を聞いてくれますよね?」

「えっ、ああ…。」

「はい、それじゃあ…ここで情報を開示しますね。」

「ああ、頼む。」

「…はい、ではお伝えします。まず、のぼるさん…あなたが行うことは現地時間12時になる午砲の音と共に出発します。あとは妨害がなければ私とヴィクトリア様の救出が完了すると共に任務完了です。」

「聞いてるのはそれくらいだけど…。」

「ええ、では戦艦までは?」

「高速艇で瑞風みずかぜまで…じゃないのか?」

「はい、そうです。…でも、もし敵が押し寄せていたら?」

「ガンガナガルでの防衛戦になるんじゃないの?…ようするに、取り残されるわけか…。」

「はい、そうです。ガンガナガルでの工事は終えました。」

「…少しはましかな。」

「ええ、では情勢についてです。現在、イギリス統治派である私達と新政府派の一部がこの救出作戦には参加していますが新政府派には私達は逃げ遅れたイギリス人としてこの国を出ることになっています。もしそのことが発覚して敵意を見せてきたらその時は戦ってください。」

「戦うの?」

「いえ、新政府派と共に旧政府派と戦うことになっていますが…信用はできません。」

「…それじゃあ、取り残されたら新政府が確率するまでの間…ずっと戦わなきゃいけないってこと?」

「はい、おそらく長い闘いになるでしょう。しかし、樹立出来ればすぐに復興できます。」

「戦争で国が荒れるのに…。」


旧政府と新政府の戦闘は長引くことは地図からわかる。

まず、山が多く多様性にも富んでいる。

ほとんどの道が整備されおらず、されていても破壊されるだろう。


「その…阿片アヘンって知っていますか?」

「アヘン?…麻薬の一種じゃないの?」

「はい、そうです。この国ではそのアヘンが各国のマフィアに流れています。」

「…それは、ダメなことでは?」

「はい、そうですね…でも…。」


アヘンとは、麻薬の一種であり煙草と共に吸い込むことで効果を得る。また、大量に摂取した場合呼吸困難などを引き起こす。

とはいえ、歴史的にも古くから存在しており日本でも江戸時代では売られていたらしい。


俺は、なぜそんな物が国の債権の役に立つかわからなかった。

ソフィアは続けて話した。


「アヘンの原料のケシの花はモルヒネや他の薬品の原料として使われるんですよ。」

「それじゃあ、それで国の再建というか財政を立て直すの?」

「ええ、医薬品の製造国としての再出発ですね。」

「マフィアに横流しにされそうだけど…。」

「そうですね…どうせ誰かがやりますがそれを行った人達を殺してしまえば解決することです。」

「効果的だけど、継続してやらないといけない気がするんだけど…。」

「はい、そうです。そもそも新政府派と旧政府派の両者にアメリカが嚙んでいます。」

「イギリスとしては懸念事項じゃないの?」

「ケシの花は、海外に渡りますよ。既に、遅くはありますが医薬品という大義名分がありますから…それに、種子センターで原種も保管されているんですよ。」

「あの…どこか寒い所にある施設に?」

「あっ…そうでしたね…この世界での話です。正確な場所はわかりませんが宇宙にあります。」

「…宇宙?」

「はい、そうでした…旧政府について話しましょう。…いえ、もうだいぶ話が長くなってしまったのでそれぞれの派閥の3人を紹介します。私や、カチューシャと同じ人なので信用できます。」

「その人達とは戦うの?」

「状況次第です。ただ、これだけはわかっててください。場合によってはあなたに痛みを与えたり拷問や処刑にかけることになるかもしれません。でも、あの人達はあなたを必ず助けてくれます。どうか…それまでの経緯で恨まないでください。」

「…難しい要望だね。」

「生きている人には立場が存在します。宗教とかは置いておいて少なくとも生きているうちだけに生きている人間に作用する力です。死んだ人には生きているうちはとても窮屈で身に着けたくなかったものかもしれません。ですが、再び彼らはそれを纏ってくれたんです。創世記からの長い年月をずっとそれを身に着けながら…ようやく解放されるんです…。」

「わかった…怒るくらいにしておくよ。」

「…優しいですね。」

「どうかな…言ってみただけで後悔するかもしれない。」


そう口に出した。

既に後悔し始めている。

でも、俺は彼らが必ず助けてくれると信じたかった。

カチューシャ、ジャンヌ、桜…彼女達は俺に刀や銃器を向けてお互いに怪我をしあって意識を失って倒れてしまっても翌日には身体が治っていて自分の部屋のベッドの上に居た。

同い年くらいの女の子とはあまり話したこともなく、付き合い方もわからなかったけど俺が元に居た世界の女の子よりも格段に優しかった。

そういう点では、もうあの世界に帰らなくてもいい気がする。

そういうのに、甘えていたくもあるがどうせ裏切られるという不安が結局ある。

たぶん、俺が生きているうちは死ぬまでそう思っているのだろう…。

あまり期待はしたくはないが、それでも信じたいと思ってしまう弱い自分が居た。

だから、冗談半分に聞き流す方が良かったが…。

真に受けていた。


「たぶん、ほんの少しだけ傷つきましたよ…。まあ、それは置いといて一人はમોહનદાસ કરમચંદ ગાંધી(モーハンダース・カラムチャンド・ガーンディー)…彼はイギリス統治派の人でガンガナガルでの防衛戦にあたっていますので高確率で会えます。もう一人はبہادر شاہ ظفر(バハードゥル・シャー2世)で旧政府派の人物です。彼は、先ほど話したサラを言い方はおかしいですが保有しています。私達の脱出後、この首相官邸を乗っ取りスピーチを行うことになっています。最後の一人は、Bakht Khanバフト・ハーン。新政府派の人物です。」

「一応、全ての陣営に居るわけだね。」

「はい、ですが…Lakshmi Baiラクシュミー・バーイをはじめとする人達はもちろんあなたのことを知っていますが前線にいる為、戦況の変化に際しての行動なのでイレギュラーです。まあ、距離的に追いつくことはできませんがとある手法を用いれば理論上可能です。あとは、空戦猟兵くうせんりょうへいですね。」

「空戦猟兵?」

「はい、この国での愛称はガルダです。」

「それが、一番の問題?」

「はい、彼らは空を飛ぶので機関銃と対空砲で対処するしかないんですよ。魔法で空を飛んでいるので…でも、対空車両は生産してないので音響弾と発煙弾、それか発光弾での攻撃の妨害が最適解なので車に用意させて貰いました。あなたの場合はショットガンもありますので…。」

「すぐに、追いつかれそうじゃない?」

「はい、なのでなるべくこの首相官邸及びデリーでの戦闘を長引かせるつもりです。まあ、そうなったら航空機での戦闘からですけどね。空戦猟兵でも戦闘機を落とすのには苦労しますし、あと一応、対人兵器としてコカトリスも用意してます。」

「コカトリス?」

「えーっと…火炎放射器です。」

「危なくない?」

「あまり効果は期待できませんが、あなたの居た世界よりも高性能です。」

「なら、良かった。…ここでの戦闘は本当に起きるの?」

「ええ、Saraサラがここまで軍勢を運んできますので…。」

「なるほど…あれつ、でも彼女は消失の魔女じゃなかった?」

「消失と瞬間移動…果たしてどちらが正しいのかは内緒ですよ。」

「知ってて隠してる?」

「ええ、彼女のためでありあなたの為です。」


ソフィアはそう言うと軽く笑い。

話は終わりですっといい、俺は食事をした後地下室に案内されるそこで寝た。


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