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初対面は身だしなみ

「…女性兵士…いや、それ以前に子供か。」

「いえ、少なくともあなたよりは生きていますよ。」

「…それが確かなのなら、納得ができるのだが。」

「はい、そう思いますがあなた達もおそらく、私と同じようになりますよ。」

「同じとは?」

「それをこれから語るんですよ。私やあなただけでなく…さあ、会議を始めましょう。」


現地時間 午前十時


「…桔梗ききょうさん、居ますか?」

のぼるは、基地を歩き回っていた。

途中、兵士には出会ったものの特にコンタクトもなく、ただ横を過ぎていった。


「あっ、昇さん。おはようございます。」

「ああ、おはよう。ところで、俺と一緒にここへ来た人達が居たとは思うんだけど。」

「はい、皆様は他の所へ行かれましたよ。」

「…どこに?」

「…彼らがここで暮らすにはまず、この世界の事を知ってもらわなければなりません。」

「…なら、俺も一緒にそこへ行くはずだと思うんだけど?」

「あっ、はは…。」

桜はばつが悪そうに微笑む。

「…そう思いますよね?ところで、あなたは昨日のことを覚えていますか?」

「ああ、そうだけど。」

「はい、では行きましょう。」

「ゲームセンターに?」

「…はい。」


しばらくして、俺は桜に会議室に案内された。

今までのような大きさのものではなく、小さいものだった。


「あのさあ…?」

「はい。」

「何でここに?」

「さあ、なんででしょう?」

わざとらしく、桜は笑った。

しかし、目を合わせようとせずひたすら目が泳いでいる。

どう考えても桜は噓をついているようにしか見えなかった。

俺は、桜に呆れつつも大人しく最前列の席に座った。


しばらくの間、目の前の机に突っ伏していた。


「…すいません。昨日のことは、嘘です。」

「えっ?」

「ゲームなんかありません。」


急に桜が話し始めたので、反射的に答えた。


「…えっと、何?」

「だから、ゲームなんかありません。」

「ああ、そう。」

「…それだけですか!」

「えっ、あ…うん。」

「あなたは騙されたのにそれでいいんですか?」

「いや、今さら無かったって、言われてもそれでって、話だし。」

「…あっ、そうなんですか。」

「ああ…ところで、いつまで俺はここに居ればいいんだ?」

「もうすぐで、ここに来ますのでもう少し待っててください。」


待つこと五分後、桜の言っていた人達がやって来た。

もう少しで寝てしまいそうだったので、ちょうどいいくらいだった。


「…あなたが、長篠ながしののぼるさんですね。私は、ジャンヌと言います。今日からあなたの教育係となりましたので…どうかよろしくお願いいたします。」


一人目は、青い服と赤い帽子を身に纏った銀髪碧眼の綺麗な女性兵士だった。


「初めまして、あんたが報告のあった少年ね。私は、カチューシャ。よろしく!」


二人目は元気のある、金髪碧眼の美少女だった。ジャンヌが大人気のある女性だったのに対してカチューシャは子供っぽい感じがした。

ジャンヌとは対照的なタイプで例えるなら、ジャンヌは年上ので、カチューシャは気前の良い幼馴染な感じがした。


「さて、改めて桔梗ききょうさくらです。」

「ああ、よろしく。」

「…私だけ軽くないですか?」

「いや、初対面ではないからかな?うん、たぶんそうだ。」

「なんか釈然としませんね。」


桜は、少し呆れ気味にため息を吐いた。


「…ところで、教育係って?」

「あっ、はい。私たちはこれからあなたを兵士に育て戦場に送り込むだけです。」


ジャンヌは、そう昇に淡々と告げた。


「…兵士?」

「のっ、昇さん!こっ、これはその…。」

「桜さん?あなた昨日伝えのではないですか?」

「すいません…結局、言えなくて。」

「はあ…まったく何やってんだか?」

「すいません。」

「わかった、それじゃあ、昇?」

「あっ、はい。」

「返事はいいのね。早速だけど、訓練してもらうわよ!」

「えっ、いやあの…訓練って、なんですか?」

「いいから、さっさと用意しなさい。あんたの服は手配してあるから着替えて来なさい。」

「えっ、あの…。」

「ほら、急ぎなさい!」

「はっ、はい。」


俺は、慌てて会議室を後にした。

しかし、この基地のことを知りもしない俺は、更衣室を探すために走り回ったが服は無く、桜が走って来て俺に着替えを渡してくれた。

結局、遅すぎたためにカチューシャに怒られ、ジャンヌに説教され、桜にも小言を言われた。

…理不尽にもほどがあるだろう。



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