羅伊戦争Ⅶ ローマ、イタリア艦隊決戦
用語解説
・千歳型水上機母艦
日本帝国で量産された水上機母艦
・バイエルン級戦艦
ナチスドイツからイタリア王国に譲渡された
兵装
380mm連装砲 4基
150mm速射砲 15門
88mm速射砲 10門
600mm水中魚雷発射管 5門(一部、撤去済み)
機銃 多数
・ドイッチュラント級装甲艦
アドミラル・ヒッパ―級に置き換えられイタリアへ
兵装
280mm3連装砲 2基
150mm速射砲 8基
88mm連装高角砲 3基
37mm速射砲 4基
533mm4連装魚雷発射管 2基
20mm機関銃 10丁
機銃 多数
新鋭戦艦(ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦)
兵装
381mm3連装砲 3基
155mm3連装砲 4基
90mm単装砲 12門
37mm連装機銃 10基
20mm砲 30門
機銃 多数
標準戦艦(カイオ・ドゥイリオ級戦艦)
兵装
320mm砲 5基(3連装砲3基、連装砲2基)
135mm3連装砲 4基
90mm単装砲 10基
37mm機銃 19基
機銃 多数
旧型戦艦(コンテ・ディ・カブール級戦艦)
兵装
320mm砲 4基(3連装砲 2基 連装砲2基)
135mm連装砲 6基
120mm連装速射砲 6基
100mm連装高角砲 4基
65mm高角砲 12基
37mm連装機関砲 4基
13.2mm連装機銃 6基
機銃 多数
予備戦艦(前期レジナ・エレナ級戦艦、後期ダンテ・アリギエーリ級戦艦)
記載なし
ローマ帝国 ウェールズ近海 ローマ帝国旗艦Otranto
3月14日 午前5時
「敵艦隊、本艦9時方向、数およそ30以上。前衛の駆逐艦隊だと思われます。」
「全艦、転舵。駆逐艦は魚雷による攻撃を開始。砲撃は待て。」
「はっ!」
イタリア王国艦隊は、レベッカの起こした嵐により満足に交戦できないであろう波に揉まれていると考えられた。
艦隊は無線封鎖に入り、陣形を取りながら偵察を続けた。
そして、現在…ローマ帝国艦隊は北東に勢力を弱めながら進む台風と、台風の南で同方向へ進軍しているイタリア王国海軍を挟み込むように北東方向へ移動をしていた。
台風は、小型なもので目は存在せずこの時期の海ではすぐに消えてしまう程度のものだった。
だが、海の荒れはしばらく続く。
ローマ帝国艦隊の戦力は、新鋭戦艦10隻、標準戦艦10隻、旧型戦艦10隻、予備戦艦20隻、巡洋艦30隻、駆逐艦60隻の計140隻、予備艦艇の潜水艦20隻と後方支援艦だった。
既に、補給艦艇などは艦隊から離脱しており矢のような陣形のまま進んでいた。
「…戦艦大和級と思われる艦影を発見!距離…およそ30キロメートル。」
「先制攻撃を行う。攻撃目標…大和型戦艦。挨拶代わりの一斉射だ…全艦全速前進!撃てぇ!」
ローマ帝国艦隊司令Liberioが、そう指揮を出し…砲撃戦が始まった。
そして、当然…敵のイタリア艦隊も砲弾を撃ち込んできた。
前衛の駆逐艦、巡洋艦によりお互いに乱れた艦隊の中を、31.5ノットという速さで新鋭艦が間合いを詰め、大和型戦艦に近づいていく。
ローマ帝国の戦艦と、イタリア王国の戦艦は同じ設計の戦艦を保有していた。
そして、この戦艦はどちらも史実と同じ様にレーダーを装備していなかった。
しかし、大和型戦艦はレーダーを持っており、最初の攻撃が行われるよりも先にレーダーでは、ローマ帝国艦隊を捉えていた。
イタリア王国艦隊は、艦隊を台風とは逆、ローマ帝国艦隊が考えていた挟み撃ちから逃げるように南へと転舵し、同航戦へと2つの艦隊は移行していた。
ローマ帝国艦隊は、予定通りに新旧の戦艦による新鋭艦を後方の旧型の戦艦が砲撃を支援するという方法を取り、巡洋艦と駆逐艦は魚雷を主に敵艦を攻撃していた。
初手の一斉射で大和型戦艦1隻にダメージを与え、敵艦隊を追撃しているように見えたローマ帝国艦隊は、突如として戦場の変化に気が付いた。
「艦長、敵航空機を多数確認…おそらく大日本帝国の物かと…。」
「構わん、撃ち落とせ。」
「しかし、数が多く…。」
「そんなわけは、ないだろう…ただの水上機だろう。」
「はい…ですが、艦隊を取り囲むように…。」
「まさか…。」
突如として、ローマ帝国の巡洋艦、駆逐艦が船体が割れるように海に沈んでいった。
「司令、巡洋艦Ploče、Kavajë(カバヤ)が轟沈。」
「一体、どうした?」
「わかりません…魚雷の航跡が確認出来なかったと僚艦からの報告が…。」
「艦隊進路を西へ、潜水艦を探せ。」
リベリオ艦長は、艦の速度を弱めイタリア艦隊の後方から回り込もうとしたが、またしても船が海に呑まれて行った。
「司令、破損箇所から砲撃による攻撃だと思われます。」
「そんなばかなことがあるか!」
「…副長、それはありえなくはないでしょう…。」
「司令…。」
「駆逐艦による戦艦進路への爆雷を投下。」
「了解!」
「艦長…これはどう考えられますか?」
「水の魔女と見て…いいでしょう。無線封鎖の解除を求めます。」
「わかった、副長。」
「了解です、司令…全艦無線封鎖を解除。」
艦を失いながらも駆逐艦は爆雷を投下していた。
誰も海中の音を聞いていないが、水柱が上がらない場所を船員達は確認していた。
「司令、アゾレス諸島からの連絡によると敵地上部隊も海中を移動しているとの報告が…。」
「…そうか。」
「艦長!所属不明の敵艦が海中から浮上!…大和型戦艦の可能性が。」
「砲撃を続けろ、1艦でも多くの船を沈めるしか道はない。」
「はい!」
「…司令、どうやら我々の方が不利に立ち回っていたようですね。」
「レベッカ様はこの事を知っていたのかな?」
「どうでしょう…敵はアゾレス諸島を手放しました。
それも、この海戦に持ち込むためです。
私たちは、レベッカ様に嵐を授かったように、彼らは水の魔女アンジェラから海中を行動できる力を授かりました。」
「魔術で水密閉加工でも施して、減圧を行い私たちの前にこうして現れたか…。」
「司令…どうなさいますか?」
「…通信はできるか?」
「えぇ…届くかはわかりませんが…。」
徐々に姿を現し、こちらに砲を向けようとする駆逐艦、巡洋艦、そして戦艦はただ怖かった。
それは、沈めた敵艦が戻って来たような恐怖が艦隊全域に行きわたっていった。
「こちらは、ローマ帝国司令リベリオ・ペリーニだ。
現在、我が艦隊はイタリア王国艦艇だけでなく、ドイツ、日本艦艇を発見した。
ただ、私が言えるのは一つ。
まだ、ローマ帝国の船は生きている。
降伏はしない…それは、ローマ帝国の船がこの海で浮かび生きている限り我々は戦うのだ。
ローマ帝国海軍の艦としての名誉は、生き延び続けるか、戦いで沈むかの2つだ。
ローマ帝国海軍は船と共にある!
全艦、我に続け!」
リベリオはそう言い、他の艦艇もそれに続いた。
イタリア艦隊は、大和型戦艦だけではなく、ドイッチュラント級装甲艦、バイエルン級戦艦、千歳型水上機母艦もこの海戦に投入していた。
イタリア艦隊の全貌は、大和型戦艦5隻、バイエルン級戦艦5隻、ドイッチュラント級装甲艦2隻、千歳型水上機母艦3隻、標準戦艦5隻、予備戦艦20隻、巡洋艦20隻、駆逐艦40隻の計100隻だった。
通常通りの海戦であれば、ローマ帝国は敗北することはなかったと言えるだろう。
だが、そうは行かなかった…。
大和型戦艦のレーダーにより、敵艦隊を捉えた後、艦隊の一部は別の座標に向かい。
潜水艦のように身を潜めた。
艦の周りに空気層を張り、時折空気を入れ替え、ローマ艦隊を待ち伏せていた。
艦の操作はアンジェラが行い、船を動かし、そして、海面に出現させたのだった。
海中からの砲撃と、その後の攻撃により、ローマ帝国は壊滅的な状態を受けていた。
海戦から3時間が過ぎ、午後8時41分…。
「…まだ、ローマ帝国には陸軍と空軍が居る。そして、内陸艦隊も…戦争は続きます。」
「ええ、そうですね…司令。」
「敵艦からの攻撃…来ます。」
「司令!」
「…。」
大和型戦艦からの砲撃が艦橋に直撃した戦艦オトラントは、その後の砲撃により弾薬庫が火により誘爆し、轟沈した。
その後、両艦隊の戦闘は続き最終的にローマ帝国残存艦隊がイタリア王国艦隊の追撃を振り切るという形で海戦は終わった。
ローマ帝国艦隊は、新鋭艦5隻、標準戦艦3隻、巡洋艦10隻、駆逐艦21隻を残し壊滅した。
イタリア王国艦隊は、大和型戦艦3隻、バイエルン級戦艦2隻、標準戦艦3隻、予備戦艦7隻、巡洋艦8隻、駆逐艦13隻を失い海戦には勝利したものの相応の痛手を負った。
「久しぶりね、レベッカ。」
「久しぶりですね、アンジェラ?元気にしていましたか?」
「ええ、もちろん。あなたは?」
「元気でしたよ…。では…はじめますか…。」
「相手をしている時間はありません…。」
「そうですか…。」
3月14日、午後2時。
レベッカは、アンジェラと遭遇し…交戦した。
「…さすがです。」
「それは…どうも!」
レベッカが海を水蒸気爆発させながら、アンジェラを追い詰めていく。
対してアンジェラは、導爆線と鉄線を操り、レベッカの手足を狙い絡めていく。
白い翼で飛行するアンジェラと海面をウォータージェットの要領で加速していくアンジェラは、互いに水飛沫を上げながら戦っていた。
しかし、そこへレベッカに向けて駆逐艦からの砲撃が飛んできた。
レベッカはその砲弾の内部の火薬を空中で爆発させ、15キロメートル以上離れた駆逐艦の火薬庫を爆発させ、海に沈めた。
「それじゃあ、また会いましょう…レベッカ。」
「…アンジェラ!」
アンジェラはそう言うと、ダイナマイトとつけられた大量の導爆線の巻き付いた木製の巨大なボビンを水に包んだ水玉を5個レベッカに投げつけ、レベッカはそれを飛行して躱し、導爆線の周囲の水を吹き飛ばすように水蒸気爆発させ、そして、高速で移動した後導爆線を爆発させた。
「…消えましたか。」
追記
・戦艦や巡洋艦の機銃の数について
史実通りのデータにはしていますが、機銃をたくさん積みたかったので多数にしています。
機銃は7.62mm、12.7mm、20mm、40mmの4つです。




