魔王軍が襲撃してきた件。
召喚。およそ現代では聞かないセリフにもっと頭がこんがらがる。
俺こと、高遠 零夜は、隠れオタクである。
だから、ラノベやアニメ、漫画などは一通り見ている。
そして、そのジャンルには異世界物、要するに、地球とは違う世界の話もある。
そのなかでも、勇者として召喚されるという話は嫌という程見たのに、頭の片隅では理解しているのに分からない。
いや、理解を拒んでいるのかもしれない。
オタクで、異世界に行きたい、エルフに会いたいなどと言っていても、急に呼ばれれば、残した家族が急に恋しくなるはずである。
「勇者殿!私はカイル・ド・ヨルムと申します。ヨルム王国30代目国王を務めさせて頂いておりまうす。以後お見知り置きを。と言っても暫くはこちらもお世話になるでしょうが。」
「勇者…?」
およそ現代では聞かない言葉、創作の世界でしか聞かない、聞けない言葉。
「ええ、そうです。今、人類は魔大陸にいる魔王を中心とした魔王軍に攻められており、状況を打開するために勇者殿を召喚したというわけです」
「(召喚ね…ただの理不尽な誘拐じゃないか…)そうか、俺に出来る限りの事はしよう。だが、俺も命は惜しい、死にそうになったら即行で逃げさせてもらうぞ?」
暗に、お前らの言うことは聞かない、と言うが、それを分かってかどうか、王はこう言った
「ええ、それでも良いですぞ、こちらも勇者殿にお世話になる身、勇者殿の不利益になるようなことは致しませぬ。」
「王よ、少しお時間が過ぎました。勇者殿のステータス確認の時間ですぞ」
「おお、そうか。では勇者殿、この水晶に手を当ててくだされ」
「こうか?」
するとホログラムのような画面が出てきた。
内容はこうだ
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高遠 零夜
Lv.1
HP:3000/3000
MP:2500/2500
(力)STR:200
(器用さ)DEX:500
(丈夫さ)VIT:150
(俊敏性)AGI:190
(知力)INT:300
(精神力)MND:50
(運)LUK:10
スキル
夢幻回廊Lv.1
愚者の夜会Lv.ー
調停者Lv.1
召喚術Lv.1
投擲術Lv.5
気配察知Lv.9
気配隠匿Lv.9
高遠流体術Lv.10
高遠流剣術Lv.10
虚無魔法Lv.1
称号
勇者
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「おお!さすがは勇者殿!レベル1でこれほどまでにステータスが高いとは!」
LUK、つまり運が他と比べて低いが、あれだろうか?あまり快く思わない勇者召喚に合ったからだろうか?
「勇者殿、そういえばお名前をお聞きしていませんでしたな、レイヤ・タカトウでよろしいかな?」
「ああ、ところで、この世界の地図ってーー」
地図はあるか?と聞こうとした時。
爆音でそれは遮られた
「王様!魔王軍が襲撃してきました!」
魔王軍、それは、どの世界でも悪の権化として知られる最悪の存在である。