出会い
アムと政府都市への旅を始めて3日経っていた。アムはよく話した。花が好きらしいので道端にちらほらと咲いた花の名前や花言葉をカイに説明していた。楽しそうにハキハキと話す彼女は見た目は汚れてみすぼらしいのに彼女の人生の一瞬一瞬を楽しんでいるようだった。しかし、時々遠くを見つめて何かを考えている姿をカイは見逃さなかった。その姿は何処か寂しそうだった。
「この花はね、アスターって言って色んな色があるのよ。この白いやつの花言葉は『私を信じてください』なの。あの青いやつは『あなたを信じているけど心配』っていう花言葉なのよ。」
「ふーん...」カイは彼女の話を聞いてはいるものの、全く興味を示さなかった。自分の頭の中の計画をまた反復していた。もうそれが癖になっていた。
アムはまた他の花の事を話し始めた。カイのそっけない態度を全く気にしてないようだった。
それから二人が歩いて2日目。彼らは荒れた荒野のど真ん中にぽつんと立った古びた小さな小屋を見つけた。カイは警戒しながらその小屋に近づいていった。アムはカイの後ろについていった。
2人は小屋の窓にたどり着き、小屋の中をそっと覗いた。
小屋の中にはだれもいないみたいだ。木のダイニングテーブルとその周りに4つの木の椅子が並んでいた。他には何もないみたいだった。
「今日はここで寝ましょうよ。」アムがカイに話す。
「いや、やめておいた方がいい。」
「どうして?建物の中の方がよく眠れるわよ」
「そうだけど、こんな荒野に小屋があると目立ちすぎる。誰かが来たら絶対中をチェックしたくなるよ。そうしたら僕たちは直ぐに見つかってこんなところで子どもが何をしてるんだって尋問される。」
「ただ寝てるって言えばいいじゃない。」
「そんなの通用するわけないだろ」
「別に誰かに見つかったって私はいいけどね。その人たちが政府都市の住人だったら一緒に連れてってもらえるじゃない。」
「僕はそういうわけにはいかないんだ」
アムはカイを見つめ少し黙った。
「そう。わかったわ。」アムは何も尋ねずにそういった。
そして彼らはその小屋を離れようとした。と、その時。
小屋の中で誰かの足音がした。
二人は驚いて小屋の壁にぴったりとくっついた。そしてまたそっと中を覗いた。
小屋の床の一部が上に開き、ある男が出てきた。