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SAN値!ピンチ!

微グロ注意!

―調査6 SAN値!ピンチ!―


古びた縄が鈍い音を立てて、わずかに揺れている。俺は嫌でもその縄を目で辿り、その下にぶら下がるものを見てしまう。

そしてそれは、


「――!」


言葉を失うには、十分すぎる光景だった。


虚ろな眼光。

口から垂れた赤い物体。

だらりを力なく下がった四肢。

それを月光が曖昧に写し出している。


「界記くん! 」


立ち尽くす俺の後ろから、煉ちゃんが1テンポ遅れて、教室に飛び込んできた。

それから、溢すように呟いた。


「………“廃止された2―4”」


廊下からは死角になった階段の手すりのところで、蛍子は昨日図書室から借りてきた学校通信の“七不思議”の頁を心を弾ませながら眺めていた。


「今回の怪異も面白そうだけど、こっちの方も怖い感じがして七不思議としては好きなんだよね。そうだ、同じ二階だし、ついでに見れないか進くん達に聞いてみよ。」


蛍子は思い立ったが吉日と、進達がいるであろう待機位置に走り出したのだが、


その瞬間、誰かと激突した。

蛍子も相手も反動で床に尻餅をつく。


「いったーい。」

蛍子がぶつけた頭を抱えながらも、

顔を上げると、その人物は進だった。


「あ、進くん。」

「なんだ、蛍子か、驚いたよ。」


彼女が歩きながら事情を聞くと、どうやら進の方が先にさっきの考えに至って、蛍子の元に急いで来たらしい。


“廃止された2―4”

この学校には2年4組は存在しない。1年4組が存在するのにだ。なぜそんな事態になっているのか。この理由にはこの学校の前身となった旧校舎での事故がある。旧校舎の2年4組は大変仲のいいクラスで他のクラスから羨ましがられるほどだった。しかし、ある日教室の中央でそのクラスの少女が首を吊っているのが発見された。原因は分からず、皆が呪いを噂し出したために、2年4組だけが廃止されたのだ。

廃止されたといっても予算の関係で改装などは出来なかったために、その教室は今でもプレートだけが差し替えられた状態で残っている。


「て、あれ? 」


蛍子は立ち止まった。

二人の待機場所を回ってきたが、いるはずの二人がどちらもいない。


これには進も首をかしげた。


「先に帰ってしまったのだろうか。まぁ、いいさ。“用具部屋”には僕達だけで行ってしまおう。」


「そうね。二人の事だから、話を聞いてなくて、待機場所が分からなかったのかも。」


しかし、二人の日頃の行いのせいか、その違和感は心配が沸き起こるほどのものでも無かった。思い出したように、進が言う。


「そうだ、足音の件は解決したよ。さっき猫を見かけた、あれが原因だよ。」


「校門もボロボロで侵入自由だもんね、確かに納得かも。て、あ、ついたみたいよ。」


そんなこんなで、二人は目的地に到着する。


「“用具部屋”間違いないね。」


蛍子はまじまじとプレートを見上げたり、辺りを見回したりするが、当然進はコンマ一秒で扉をオープンするのだった。


続く。

巻きでいこうか!

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