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わざとじゃない

―調査5 わざとじゃない―


昨日と同様、俺たちは廃校舎の前に集合した。意外なことに話のときには寝ていたはずのれんちゃんまでいる。


「もしかして、狸寝入りしてたのか。」


俺は進の演説の最中、煉ちゃんにたっぷりの怒りを込めて質問した。

だが、煉ちゃんは俺の言葉に悪びれる様子もなく、首を傾げる。


「僕はそんな器用なことは出来ないんだな。」


まったく、人の気も知らないでいい気なもんだよ。 俺はとぼける煉ちゃんとの会話に勝利するため、最強の一手をうつ。


「じゃあなんで今日の計画をしってるんだよ。」


どうだ、参ったか。さっさと吐いてしまった方が楽だぞ煉ちゃん、調査に来たいからって俺を騙すなんて………ってあれ? これだと、反対してるの俺だけになっちゃわない? 誤算だった! 嘘でも嫌だと言わせるべきだった! ちくしょう、なんて馬鹿なことを言ったんだ。許すまじ、5秒前の俺!


そうして俺が頭を抱えていると、煉ちゃんが質問に回答する。


「さっき電話で呼び出されたんだな。」


煉ちゃん………!

なんだ良かった! お前はやっぱり俺の親友だよ。


とそんな会話? をしていると、不意に進の声が耳に飛び込んできた。


「………という感じで、今日の調査は進める。分かったな。」


ごめん、全然聞いてなかったから、全然分からないんだけど。


助けて煉ちゃん。


「無理なんだな。僕も君と会話してて、進くんの話は何も聞いてなかったんだな。」


まじか。


そんな感じで、俺は前情報0で探索に挑むことになった。


俺たち陰陽決死団は、早速廃校舎二階に到達した。道中魔物に襲われるとかそういうファンタジーなことはなに一つなく………。

あ、いや一つあったわ。

最初は俺より後ろを歩いていた煉ちゃんが、階段を上った頃には俺より前になっていたのだ。間違いなく瞬間移動の類いだなこれは。断じて俺の運動能力が低いわけではない。


俺がこんな一人解説をしているところへ、進の声が響く。


「では、さっき話したように配置につけ。」


え、さっき話したようにって? そんなこと話してたの?


「了解、団長。」


話を聞いていたであろう蛍子はなんだかノリノリで何処かに歩いていった。

それに続いて、


「さて、僕も配置につくよ。君たちも移動してくれ。」


と進までもいなくなる。


つまり、


「………どうしよう。」


事情を知らない煉ちゃんと俺だけが残された。だが、あせる俺とは対称的に、煉瓦は冷静だった。なぜかといえば、


「この辺で身を隠してれば多分大丈夫なんだな。この“廊下を走る音”っていう怪異は姿は見えないが足音は聞こえるってやつだから。」


彼は怪異の内容をちゃんと知っていたらしい。


「おし、じゃあこの辺で待機だな。」


俺は、あれ、この怪異ってもしかして確認して終わりな前回のやつと違って待ちぼうけってこともあるんじゃない?


とか思いつつも、俺は一番近くの教室に入って音がするのを待つことを提案した。

しかし、すぐに教室に入ろうと手をかけた俺とは違い、煉ちゃんは、


2―4


というプレートの文字を見て瞬間固まった。


「界記くん! 入っちゃだめなんだな! 」


「え? 」


そのとき、俺は既に扉を引いてしまっていた。


つづく………!

そろそろ真面目にいこうか………!

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