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となりの留学生  作者: やまだ
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国際交流?

 もう四月だ。四月といえば春ってイメージが浮かぶけれど、まだまだ肌寒い。まだ夕方の5時なのに陽だってもう沈んでいる。それでも明日からは学校が普通に始まると言うのだ。すごく気が重くなる。春休み最後で憂鬱な日に買い物を頼む親は非情だと心の中で恨み言を言いながらの駅前スーパーからの帰り道。

 我が家のあるこの街は駅前はそれなりに栄えてるけどちょっと歩くと何もない典型的住宅街なので、別段景色を楽しむだとかそんなこともできやしない。寒さと今夜のごはんの食材の重みが辛いだけだ。こんな何も良いことが無いおつかいという名の苦行はさっさと終わらせるに限る。

 それなりに広いこの街の公園が見えてきた。あそこを抜けて行くのがショートカットになる。これを使わない手はないでしょう。



 この公園はそれなりに広いということもあってこの辺りではお花見スポットとして春には人が集まるけど、今年は開花が遅れているだとかでまだ桜はあんまり咲いてはいないみたいだ。そのせいか、人も全くいない。昼間は子どもとかそのお母さんとかで賑わっているのかなとどうでもいいことを考えながら静かな公園を歩き続ける。

「ん?」

 ぼーっと歩いていたら何か靴に当たった感触。どうせ誰かが捨てていったゴミだろうと思っていたものの正体を一応確かめてやろうと視線を足元に下すと、ゴミとは思えない綺麗なペンダントだった。これは予想外だ。

「なんか高そうだな」

 エメラルドグリーンの宝石らしき石が埋め込まれたペンダントは蹴っ飛ばしてしまった罪悪感を感じるほどに綺麗だった。やっぱりこの石って宝石?結構なお値段がするんだろうか。

「一応交番に届けた方がいいのかな」

 本当に高価な品なら持って帰ってしまえと思う人もいるのかもしれないけど、私はそこまでするほどにお金には困ってはいない。お金は欲しいけど。

 それに、もしも窃盗で捕まったりなんてしたらそれこそ人生を棒に振るようなものだ。落し物を交番に届けるのは善良な一般市民の義務だしね。

 ……とは言ったものの。

「めんどくさい……」

 交番に行くとすると家までは結構な回り道になってしまう。かといってこれをこの場に放置していくのはちょっと気が引ける。

「持ち主さんが空から降ってこないかしら」

 なんてアニメじゃないんだからそんなことはあり得ないのだけど。というか本当に降ってこられたら私が困る。

「仕方ないか……」

 覚悟を決めて交番へ向かうことにした。やっぱりこんな高そうなもの放っておいたらあとで気になりそうだし。



 本来目指してた出口とは違う出口へと向かう途中で本日初めてこの公園で人を見かけた。外人さんかな?見た感じだと私と同じ年くらいの女の子だろうか。綺麗な金色の髪が街灯に照らされていて輝いているようだった。

「おっと、さっさと行こ……」

 思わず見とれてしまったが、こんなところで立ち止っている場合じゃない。さっさと交番行って帰ってお風呂で暖まりだ。

「あの。スミマセン」

「ひゃい!?」

 そう思ったところで外人さんに声をかけられた。まさか声をかけられるとは思わなかったので、思わず変な声が出てしまった。かなり恥ずかしい。ただ、それ以上にこの外人さんは狼狽している様子だった。

「えっと……この辺でペンダント見かけませんデシタ?グリーンの石が入ってるンですケド!」

 すごく動揺してるのが伝わってくるくらいにあたふたしながらだからかちょっと片言気味の日本語で外人さんがずずいと詰め寄ってきた。

「え!?ええと……」

 不意打ちで声をかけられたから私もテンパってしまったが、よくよく考えたらグリーンの石とかペンダントとかってさっき拾ったあれのことでしょうか。

「もしかして、これ……ですか?」

 さっき拾った例のペンダントを上着のポケットから取り出して外人さんに見せてあげるとそのくりっとした大きくて晴れの日の空みたいに青い瞳でペンダントを覗き込んだ。近くで見ると思った以上に整った顔立ちの娘みたいだ。こういう顔立ちって美少女って言われるタイプなんだろうな。

「あー!コレ!これデス!アリガトウゴザイマス!」

 そう言って手を握られてぶんぶんと上下にシェイクされた。

「ど、どういたしまして」

 このまま渡しちゃっていいのかなとも思ったが、ペンダントの宝石の色もこの娘は知ってたし、この様子だと本当にこの娘の持ち物だったみたいだからまあ大丈夫だよね。

「それじゃあ、はい。もう落とさないように気をつけてくださいね」

「ほんとうにアリガトウゴザイマス……なにかオレイを……」

「い、いえ!大丈夫ですから!」

 そんなことより私は早く家に帰りたいのだ。ペンダントを外人さんに渡して歩き出す。ちょっと冷たいように感じさせてしまうかもしれないけど、押し問答になるよりはいい。ちょっと振り返ると外人さんは相変わらずちょっと片言気味にありがとうございますと言いながらペコペコずっと頭を下げていた。

 それにしても、持ち主が降ってこないかなんてバカみたいなことを考えたけど、結構似たようなことが起こるものなんだなあ。これで真っ直ぐ家に帰れる。ありがたやありがたや。



「遅い! 」

 春休み最後の一日を使ってまでお遣いに行ってきた娘に対して母が浴びせたのはこの一言だった。

「人助けしてたら遅くなったの」

「は?あんたが人助けって……もうちょっとマシな言い訳考えなさいよ……」

 呆れた顔で言い放たれた。さすがに実の娘に向かってこれはひどいんじゃないかな?

「嘘じゃないってば。まあいいや。お風呂入ってくる」

 一苦労終えた娘を労いもしない母は放っておいて早く体を温めたいのだ。


 

 体を洗い終えて湯船に体を沈める。お湯が身に染みるなーなんておじさん臭いことは考えても口には出さない。

「あー……疲れた……」

 明日から2年生になって新学期が始まる。基本的に家でダラダラして過ごすのがモットーな私には学校が始まるのはとっても憂鬱だ。部活なんかもやってないし特段学校に楽しみなこともないから特に。

 明日がやってこなければいいのになんて思えばさっきみたいに思ったことが近い形で実現しないかな。休み延長とか。それこそありえないことだった。

 

 

 ピピピピピとけたたましくアラーム音が部屋に鳴り響いて目が覚めた。

 無情にも朝はやってきてしまった。

「なんで朝はやってくるのだろう……」

 私の哲学的な問いには目ざましに設定した携帯のアラーム音以外には誰も答えてくれなかった。


 

 朝食を終えて久しぶりに制服に袖を通す。やっぱり気が重い。本当ならあと10時間は寝ていられる自信があるくらいに体が睡眠を欲している。そんな状態なのに登校を強いるのは酷じゃないだろうか。

「ちょっとー!?もう時間でしょー!?」

 だらだらと着替えていると母の怒号が飛んできた。どうあっても今日からまた学校へ行かなきゃいけないみたいです…



 家を出てから久しぶりの登校風景。春休み中は部活動の生徒以外ではほとんど見かけなかった制服の生徒が今日は街中に溢れかえっているんだろうな。なんて考えながら長い坂道を登ると校門が見えてきた。

 新学年最初にして最大のイベントが校内では行われていた。そう、クラス替えの張り出しだ。仲が良かった友達と同じクラスになれた人や逆に別のクラスになってしまった人など悲喜交々の一場面。

「おーっすおはよ凛」

 そんな様子を眺めていたらポンと肩を叩かれた。振り返ると私の数少ない貴重な友人のまどかが居た。

「おはよ。まどかはもう新しいクラスみた?」

「まだー。んじゃあたしらも見に行きますか」

 まどかと一緒にクラスを確認すべく生徒群がる掲示板へと突入した。

 なんとか名前が見える位置まで辿り着いて自分の名前を探す。

「お、あったよ。『高宮凛』ほらあそこ」

 まどかが指差した2年C組の名簿の掲示板に私の名前が載っていた。そしてそのすぐ近くに『園田まどか』の名前も見つけた。

「今年も同じクラスかー」

「そだね。改めてよろしく」

「ん。よろしくー」

 適当な新学期のあいさつを済ませてから新しい教室へと二人で向かった。

 

 新しいクラスでは以前のクラスで同じだった人も何人か見かけたけど、別のクラスだった人の方が多いみたいだ。といっても1年生の時のクラスメイトともまどか以外とは普通のクラスメイトレベルでしか付き合いが無かったのだけど。

 まどかと話したりしていたらチャイムが鳴った。新しい担任の先生が入ってきて「ホームルーム始めるから席につけー」なんていうと騒がしかった生徒たちは各々の席に戻っていく。私も自分の席について特に変わったこともないであろうホームルームに臨むことにする。

 担任からは入学した時も聞いたような学校生活の心得だとか聞いていても頭に残らないような話が続いた。どうもこういう話って眠くなるからやめてほしい。

「それと今日から留学生がうちのクラスに来ることになった」

 これまでの退屈な話から一転してのビッグニュースにこれまで静かだったクラスが急に騒がしくなった。留学生なんてこんな住宅街ばかりの田舎では超レアな存在だからみんな気になるんだろう。私も少しは興味があったりする。

「ほら、静かにしろよ。それじゃ入ってきていいぞ」

 というか担任よ今まで外で待たせてたのかよと長々と退屈な話をしていた担任に心の中で突っ込んでおいた。

 クラス全員の視線が教室の入り口に集中する。これから入ってくる留学生はどんな人物かという期待の眼差しなんだろう。

 そして、担任の合図があってから教室に入ってきたのは輝くような金色の髪にくりっとした大きな青い瞳の女の子だった。見事なまでにTHE外人美少女って感じでクラス中から「おー」とか「かわいい」だとかの声が上がった。

 それにしてもこの留学生なんか見覚えがあるような……

「ほら静かにしろー。それじゃ自己紹介して」

「は、ハイ!わたし、エリー・オルコットっていいマス。イギリスから来ました!まだ日本はなれてませんがよろしくオネガイシマス!」

 緊張した様子でオルコットさんが自己紹介を終えると教室中に拍手が響いた。……やっぱりどこかでこの娘見た気がするんだよなぁ。

「あ!」

 突然オルコットさんが声を上げてクラス中もなんだなんだと言った感じになる。オルコットさんの一挙一動でクラス中で声が上がるとは留学生の影響力ってすごいな。

「あの、きのう公園でペンダントひろってくれたカタですヨネ!昨日はホントにアリガトウゴザイマシタ!」

「ああ、そうか。昨日の」

 昨日会ったばかりなのに学校のことが憂鬱すぎてすっかり忘れていた。昨日お遣いの帰り道に公園でペンダントを拾ってあげた娘だ。

「なんだ、高宮はもう知り合いなのか。じゃあ席も高宮の隣でいいだろ。学校の案内とかいろいろ教えてやってくれ」

 なんかラブコメ漫画みたいな展開になってしまった。ただし相手は女の子だけど。そして担任からの無責任な一言。正直言うと学校の案内とか面倒だけど、もう断れる雰囲気じゃないみたいだ。

「はい……」

 こうして急展開を迎えた2年生初ホームルームは幕を閉じたのでした。


 

 休み時間になるとやっぱりオルコットさんはやっぱりクラス中の皆から質問攻めに遭っているみたいだ。最初は緊張していたオルコットさんももうクラスのみんなと打ちとけつつあるみたいだ。コミュ力すごいなあと感心する。

 私も興味が全くないわけじゃないけど、こう騒がしいのはちょっと苦手だ。……だから私は友達が少ないんだろうか。

 「凛ってオルコットさんと知り合いだったん?留学生と知り合いとか凛もなかなかやるねぇ」

 隣の席のまるで記者会見のような様子を眺めているとまどかがやってきた。クラスメイトの皆とオルコットさんのインタビューには向かわず私に質問しにきたみたいだ。というかどの辺が「やる」のだろうか。

「知り合いというか昨日初めて会った」

「超最近じゃん。そんで二人の馴れ初めはどんなんよ?」

「馴れ初めってここで使う言葉じゃないってば……昨日オルコットさんの落し物を私がたまたま拾ってたまたま近くに居たオルコットさんに届けただけだよ」

「それで留学先がうちの学校かあ。なんか漫画みたいだよね。ご都合主義的展開っていうか」

 私もそう思う。

「だからさっきまでオルコットさんの名前も知らなかったから知り合いって呼べるレベルかも怪しいんだよね」

「ふーん。でも、世間は狭いっていうのはほんとなんだね」

 そんな何気ない話をしているうちに休み時間終了を告げる予令が鳴った。結局オルコットさんとは話せなかったなと思ったけど、後で学校の案内とかすることになるしまあいいかなんて思いながら次の全校集会に移動することにした。

 


 ホームルームに続き退屈な話やら部活動の表彰など私には眠気しか感じない内容の話が終わって今日の学校は終わり。新年度最初の午前授業サイコー。いつもこうだったらいいのに。ただ、私にはこの後一仕事残っているのでまだ帰れないけど。

「あの……」

 オルコットさんが私のところまで来てくれたみたいだ。さすがにさっきの休憩時間みたいにたくさんの人に囲まれた中から連れ出すのは私には難しいからありがたかった。

「えっとそれじゃあ一緒に一通り学校の中を回ってみようか」

「ハイ!」

 おっと、校内を案内する前にちゃんとやっておかきゃいけないことが一つあった。

「ごめん。自己紹介ちゃんとしてなかったよね。私は高宮凛だよ。よろしく」

「タカミヤリンさん……ハイ!よろしくおねがいシマス!」

 こうして私とオルコットさんの校内探検が始まった。



さて、案内とはいったもののどこから回ればいいのやら。そもそも私だって1年生のころから自分のクラスとか移動教室以外では購買か食堂くらいしか校内では移動なんてしないから校内に詳しくなんてない。

 どうしたものかと考えているとくぅーと気の抜けた音が。

「アハハ、ゴメンナサイ」

 どうやらオルコットさんのお腹から聞こえたものらしい。少し恥ずかしそうだ。でも、確かに私もお腹は空いている。

 そういえば今日は午前で学校は終わりだったけど、部活動に参加する生徒のために食堂は開いているんだったはず。

「それじゃまずはお昼にしよっか」

 食堂の案内もできるからちょうどいい。オルコットさんのお腹ナイスアシスト。



「おーこれが日本のショクドウ!」

 食堂に着くとオルコットさんは目を輝かせて食堂を見渡している。そんなに珍しいものなんだろうか。

「それじゃ食券買いにいこっか」

「ショッケン?エライひとがつかうっていうものデスカ?」

 思いっきり意味が違っている。

「違うよー。この機械のボタンに書いてあるメニューで食べたいものを選ぶと食券っていうチケットみたいなのが出てくるの。見ててね」

 見本としてお金を自販機に入れて私のお気に入りメニューの牛丼セットのボタンを押す。それなりにボリュームもあって安いからありがたいのだ。

「こうすると食券が出て来るんだよ」

「やってみマス」

 オルコットさんもお金を入れて少し迷ってからボタンを押した。

「これはどうするんデスカ?」

「これはあそこのカウンターで食堂のおばさんに渡すと料理と交換してくれるんだよ」

カウンターのおばさんに二人で食券を渡す。少しの間が空いて私の牛丼セットから先に出てきた。続いてオルコットさんのメニューも。オルコットさんのメニューはなんと鯖味噌煮定食だった。和食の中の和食って感じのメニューとは少し意外だった。

「オルコットさんって和食好きなの?」

 さすがにそのチョイスは予想してなかったので聞いてみることにした。それにこういう何気ない会話で間を持たせるのって多分大事だし。

「ハイ。だいすきデス!」

 満面の笑みである。本当に好きなんだな。

「オハシもたくさんれんしゅうしまシタ」

 少し誇らしそうにしながらもはにかむ姿は同性でもかわいいなと思えた。

 それに、練習したと言うだけあって綺麗な持ち方の箸を器用に使って幸せそうに鯖を食べるオルコットさんは見ていてなんだか和んでしまう。

「ワタシのすんでいたマチではあまりワショクはたべられなかったのでうれしいデス」

 あまり和食は食べたことが無いって言ってたけど、たまにテレビで海外の日本食のお店が特集されてたりするようなお店ってやっぱり外国だとあんまりないのかな。

「おいしかったデス。ゴチソウサマデシタ!」

「ごちそうさまでした。それじゃ、行こっか」

 他愛ない会話を挟みつつの昼食を終えて改めて校内探検へと出発。


 

 それから学校のいろんな場所をオルコットさんと回ったけど、理科室では

「ここがジンタイモケイっていうなまえのオバケがでるっていうリカシツ!」

 音楽室では

「オンガクシツってライブをするところってききマシタ!」

 などなどの誰から吹き込まれたかわからない間違った知識にツッコミながらの校内ツアーだった。

「最後はここがいいかな」

 結構いろいろな所を回ったからそれなりにいい時間になっていたみたいだからちょうどいい。

「ココは……?」

 少し重い鉄の扉を開ける。

「ウチの学校の屋上だよ」

「うわぁ……すごい……」

 最近は屋上は立ち入り禁止の学校が多いそうだけどウチの学校は普通に入れるようになっている。ただ、あまり使ってる人は見ないけど。

 それなりに高い所にあるこの学校の屋上からはこの街が一望できる。私は結構いい景色だと思うし、あまり人が来ないから学校内で唯一の私のお気に入りの場所だ。

「ステキなところデスネ」

「私もここは好きなんだ」

 オルコットさんもここを気に入ってくれたみたいだ。

「あの、キノウもたすけてもらったのにキョウもこんなにシンセツにしていただいてホントにアリガトウゴザイマス」

 オルコットさんが深々と頭を下げている。なんかこっちが恐縮しちゃうな。

「え、えっとどういたしまして?」

 なぜか疑問形になってしまった。

「それで、えっと、タカミヤさんにもうひとつオネガイしたいことがありマス」

 お願いとな。改まった様子のオルコットさんにこっちまで緊張してしまう。

「ワタシと、トモダチになってクダサイ!」

「え、は、はい」

 すごい真剣な表情のオルコットさんに気押されてしまってすこしどもってしまった。

「ホ、ホントデスカ!?」

「うん、私でよければ」

「ウレシイです、私の日本ではじめてのトモダチにタカミヤさんがなってくれるなんて……」

 私はそんな大した人物じゃないのにこんな風に言われると正直かなり照れくさい。

「えっと、それじゃよろしくオルコットさん」

「あの、エリーってよんでほしいです。ダメですか?」

 その上目遣いはずるいですよ。

「う、うんよろしくエリー。私も凛でいいよ」

「ハイ!ヨロシクオネガイシマス!リン!」

 これまでと同じで私には何の変化もない何気なく過ごす1日になるはずの日になんと留学生の友達が一人できました。

 



 



 


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