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即興短編集

実験と逃走(仮)




さてさて、今回お話しするこのお話の主人公の名はあゆむ。性別は男性。

この男、名は先程お伝えしたように(あゆむ)といいますが、実は歩けません。

彼は昔、何かあったようでその時から歩けなくなり、今は病院住まいです。

でも彼は歩けないだけで体は元気。


彼の好きなものはネットとか読書での知識収集だ。

歩はそれで得た知識を試して&試そうとしては看護婦さんに怒られるというような毎日を送る、人としては変人奇人の部類に入る男であります。


そしてこのお話は、彼の病室でのいつもの奇行と歩付きの看護婦さんのお叱りから始まるのです。



―*―*―*―*―*―




僕は或る日、『忍び走り』というものを漫画で見つけた。それは足を手の上に置き、手で地面を走るというものだった。


僕は歩けない。でも、これを使えば歩けるかもしれない!!

何故って?簡単だよ。これは足ではなく、手で歩くんだ!慣れてきたら走ることも出来るかもしれない!!




やってみると最初は上手くいかなかった。

でも、少し改良してみたら意外なほど物凄いうまく出来た

やったね!!……でも、問題があるんだ。


手で走ったり、歩いている最中は背が低くなるし、姿見でその時の姿を見てみると、ものっそい不審!!不審者!!奇妙千万!まさに異様って感じだったね!アハハハハハハハハッ!


さて、それは置いといてと、もう少し練習しておガラッ…あ、ヤベッ!


「……歩さぁん?なんで地べたに座っておられるのです?また何かの(省略)」


また看護婦さんに怒られた。もう当分実験はしない!!…やめないけどね?

でも、歩けてうれしい。…足でじゃないけど。




或る日の夜、僕こと歩の病室に誰かが侵入してきたようだ。

何故わかるのかって?この部屋には僕のおかげで僕と僕付きの看護婦さん以外、誰も立ち入ろうとはしないし、この部屋に入院しているのは僕だけだからだ。

そんな事を考えている間に侵入者が僕の視界に入った。あちらは僕の存在にまだ気づいていないらしい。


見てみるとそれは驚くことに刃物を持った男だった!!


拙い!!男も僕の存在に気付いた!!


男は歩に襲いかかってくる。

歩はなんとかそれを避けるが歩けないため逃げ切れない。男はまた襲いかかってくる。

歩は必死に抵抗。男を殴り飛ばす。男はよろけてこけた。でも、歩の命がまだ危ないことには変わりがない。


ふと、歩はこの前の手で歩く方法を思い出す。


部屋の隅にある車いすを使っている余裕はないし、“あれ”を使ってなんとか逃げれないか?

そしてあれで走って逃げることはできないか?


見ると男はまだ立ち上がろうとしているところだ。

歩はこの隙に足を手の上に乗せ、一歩、二歩、三歩と走り出す。


目的地はこの階のナースステーションにいる筈の看護婦さんだ!!


男はその異様な姿に仰天して肝をつぶした!

だが、すぐに我に返って歩を追いかける。でも、歩の方が何故か異様に早い。男はなかなか追いつけない。


そうこうしているうちに歩はナースステーションに到着した。すると歩をいつも叱ってくる看護婦さんがいた。


看護婦さんは一瞬、歩の異様な姿に仰天するもそこはそれ。彼女は歩の担当であり、彼の奇行には日頃から耐性がある。結果、彼女は歩に呆れながらも冷静に対処した。


「…またですか、歩さん。あなたは何度言ったら…(以下略。)で、なにか用がおありですか。」


『はい!!先ほど見知らぬ侵入者に刃物で殺されそうになりましたっ!!急いで警察に連絡をしてください!!あんなのが居たんじゃおちおち寝てもいられません!!急いでっ!!早くっっ!!』


「え、またいつもの奇行とかでは……ないようですねっ!!早く警察早くっ!!」


話している途中に歩を追いかけてきたあの男が刃物を持って近づいてきているのが看護婦にも見えたのだ!


彼女は軽くパニックになりながら電話で警察を呼ぶ。


男がすぐそこまで見えてきた!!


歩と看護婦は必死に逃げる。

逃げながら看護婦は歩を責め、歩はそれに言い返す。


「なんであんな奴連れてきたんですか!?」


『知りませんし連れてきたのは僕じゃありません!!気が付いたら僕の病室にあいつがいて急に襲いかかって来たんです!!僕はそこから命からがら逃げてきた被害者です!!』


「そんなこと言って日頃の行いが悪いからこんなことになるんですよ!?それに私を巻き込まないでください!!いい迷惑です!!」


『それは申し訳ありませんでした!あっ!玄関です!!玄関とロビーの鍵持ってますか!!』


「持ってます、けど、どうするんですかっ!?」


『とりあえずここから僕たち二人とも出たら鍵を閉めてください!あの男を閉じ込めて時間稼ぎとします!!』


「わかりました!!ものすっっごく不安ですけど!!」



そして二人はなんやかんやで警察が来るまで男を閉じ込め、男は警察に逮捕されて事件は無事、解決した。


警察の話によると、あの男は病院の薬品を狙った強盗(?)だったようだ。




事件から数日が経った。


歩はいつものように調べたことを試すか試そうとしては看護婦に見つかり、叱られるという生活に戻りました。



 おしまい。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました!


PS.あとで改稿・題変えするかもしれません。

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