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始まりと自己紹介

ジャンルは推理となっていますが、そうでもないかもしれません・・・・・・。

「たのむよ~あと1週間でいいんだ!だから、待っててくれないか?え、いやいや、追い出すなんて、そんな冷たいこと言わないでくれよな~同じ人間だろ、な、大家さ・・・・・・」

うるさーい!!いいかげんだまれ、この家金滞納野郎!!・・・・・・と、堪忍袋の緒が切れた私が怒鳴ると、ようやくこのオヤジも静かになった。と思ったら、急に泣き出した。仮にもいい大人、その上男なのに、だ。うん、これは嘘泣きだな。

「だって・・・・・・大学をこの春卒業して、もう親のすねかじるわけにはいかない、って思って家を出て、このアパート入居したんですよ」・・・・・・さっきはオヤジと言ったが、この田中春人(たなかはると)はまだ22歳である。

「そんで府中にある食品店に就職したはいいけど、1ヶ月前なんというか・・・・・・潰れちゃったんですよ」それはお気の毒に。

「それから俺はコンビニのバイトとかで生計を立ててるんですよ!だからお願いしますってば!!1週間でいいから待ってください!」いやいや、こんなアパートの廊下のど真ん中で土下座されても。そして嘘くさい。

私は大きく息を吸い込んだ。

「私が高校生だからってなめないでよね!こっちだって生活かかってんの!」

春人は驚いたように顔を上げた。

「・・・・・・ああ、そういや亜樹(あき)ちゃん高校生だったっけ」


「そういや」って何よ、「そういや」って!だいたい『ちゃん』付けで呼ばないでほしい。なれなれしいったら!

高野(たかの)亜樹、10月8日生まれの高校1年生。職業、東川アパートの大家。

もともと、このアパートはおばあちゃんのものだった。いまもそうだけど。両親が共働きだったものだから昼間はおばあちゃんが大家をやっているアパート、夜は自宅というようにこの2つを往復しながら小学生時代を過ごした。(ちなみにおばあちゃんはそのアパートで暮らしてもいた)

中学にあがると、さすがに1人でも平気だったからあまりアパートへ行くこともなくなった。ところが中学3年生、受験が終わり進学する高校も決まったころ。父の転勤が決まった。場所は大阪。東京からは遠すぎる。両親は仲がよかったから、母は今の仕事をやめて父について行くといった。亜樹はどうする?

散々迷ったが私は言った。ここに残る。せっかく努力して受かった高校だったから、どうしても行きたかったのだ。

両親には何回も説得されたが私が頑として動かなかったから最後にはあきらめたようだ。しかし、どこに住めばいいのか・・・・・・3人で悩んでいたとき、おばあちゃんが作りすぎた肉じゃがを持ってやって来た。ことの次第を話すとおばあちゃんはからからと笑い出した。「何を悩んでんのさ?そんなら亜樹がうちにくればいいっしょ」その一言で話は解決、2人は安心して大阪へ飛び立ちめでたしめでたし・・・・・・とはならなかった。

3月の終わり、アパートで私が朝食の片づけをしていると、おばあちゃんが出かけるしたくを始めた。どうやら健康診断に行くらしい。「珍しいね」と言うと、「いやあ、103号室の山本さんにさそわれてねえ。」と言いながら出て行った。山本さんは1人暮らしをしている70歳くらいのおばあさんだ。山本さんに限らず、人のいいおばあちゃんはアパートの住民ほとんどと仲がよかった。

西日が部屋に差し込むころ。私はだいぶ落ち着かなくなってきた。おばあちゃんがまだ帰ってこないのだ。もう出かけてから6時間以上たってるのに・・・・・・。そのときインターホンが鳴った。山本さんだ。あれ、おばあちゃんは?「大変だべさあ、亜樹ちゃん。はよう、病院へお行き」

それからのことはよく覚えていない。やっとの思いで病院にたどりつくと、もうおばあちゃんは虫の息

・・・・・・ではなかった。おばあちゃんは診察室にいて、私に気づくとこう言った。「ひっかかっちまったよ」

おばあちゃんは胃がんだった。でも早期発見だったから手術すれば大丈夫らしい。入院の手続きを終え、やっと落ち着いたころ、おばあちゃんはいきなり私にこう言った。

「亜樹、すまねえがおばあちゃんの代わりに大家さんをやってくれないかねえ」

・・・・・・「ええ!?」


これが、私が大家をやっている理由。

はじめまして。読んでくださってありがとうございます。

読みにくかったり、矛盾があったりすると思います・・・・・・。

そんなときは指摘してやってください。

また、更新が遅れるかもしれません。

うまく書けるようこれからがんばるので、今後ともよろしくお願いいたします。

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