第7話 女として、始めての登校
「おはよう!誠!」
「あっ、うん!おはよう深雪」
学校に着き、2年5組のクラスに入る。
すると、不知火誠の親友である、刹那深雪が話しかけてきた。
こいつは、今回のターゲットには入りないので、何の関係もない。ただ、普段と同じように接しないと、変に疑われると困るからな……。
「それより、何で私の席に座ってんの?」
「え〜。なんか、誠の席って落ち着くんだよね〜。実家の安心感みたいな?」
「中2が、いうセリフじゃないでしょ」
刹那深雪は、えへへ〜と、満足気に笑って自分の席に戻ったが、こんな会話が面白いのか?
やっぱり女の感性は、理解出来ねぇな……
「お前ら、さっさと席に着け〜」
気怠げな女先生が、そういうとクラスの奴らは、みんな一瞬で席に着いた。
こんな感じだが、意外と慕われてるのか?
それともクラスの奴らが、ただ、真面目なだけか……
一応言っとくが、この先生もターゲットには、入らない。
ただ、担任の先生ってのは、情報源としても大切だ。報告書にも記載してないものを聞ける可能性もあるからな、仲良くしといて、損はないだろう。
「じゃあ、次は……体育だな。じゃあ、全員着替えて校庭でろ〜」
あっという間に、3時間目まで授業が終わった。
流石に、中2の勉強で、詰まるほど頭は悪くない。
お前らも、いつか作品を消す殺し屋になった時のために、ちゃんと勉強するんだぞ。
「ねぇねぇ。誠〜」
また、こいつか……
「どうしたの?」
「給食前の4時間目に来る体育ほど嬉しくないものってないよね〜」
「まぁ、確かに」
それは、まぁ分からなくもないけど……!
「深雪は、運動得意なんだから、別に良いでしょ……私は運動ダメダメだもん」
そう。この女は、運動が得意らしい。バカは大体運動得意だし、こいつもその1人なんだろ。
「まぁ、動くのって楽しいしね!ほら、早く着替えて一緒に行こうよ〜」
「ちょっと、あんま急かさないでよ〜!」
悪いやつでは無いんだろうが、そんなキャラ二次元の世界には、腐るほど居るからな。
恨むなら、自分を作った作者を恨んでくれ
体操服に着替えて、刹那深雪と校庭に出る。
この3時間目までの間に、クラス全員の顔は覚えた。一部2席ほど空いていたが、2人とも、今回のターゲットとは無関係なので、無視していいだろう。
それで、全員の顔を覚えたなら、誰かが抜けていたら分かるってことだ。
「ま、誠?!すごい顔青いけど、大丈夫?」
「うっ……ちょっとお腹痛い」
「ま、まってて今先生を……」
「いや、大丈夫。私は自分で言ってくるから、深雪は、みんなのとこ行ってて……」
横にいる奴が、バカで良かったな。
俺は、そう思いながら、先生にお腹が痛い事を伝えて、校内に戻る。
2年5組のクラスには、全員で36人の生徒が居る。今日は、2人休みだとして34人。だが、校庭には俺含め32人しか居なかった。
そして……俺が、先生にお腹が痛いと告げた時に──
『あの、先生』
『ん?どうした不知火』
『私以外にも、今日体育を休んだ人って、居ますか?』
『ん?。確か、今日も2人だったはずだが、それがどうした?』
『いえ、なんでもないですよ』
先生は、そう言っていた。普通に考えて、毎回のように休んでいない限り、今日もなんて、言わねぇよな……
「さて、とりあえず定番の場所から、探ってみるか……」
この世界の主人公。清水穂花そして、ヒロイン五十嵐美春
一体どこで、ナニをしてんのか知らねぇが……さて、どんなふうに殺ってやろうかな