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集中強化

 翌日、明朝に目を覚ました私は、すぐに庭に出て、昨日の木剣で素振りを始めた。

 身体強化は使っていない。

 闘気切れを起こしてしまうと、お父様が言っていた集中強化が出来なくなってしまうからだ。

 昨日から振り続けたせいで、庭の芝生の一部は耕された畑のようになっていた。


「お、こんな朝早くから修行か。気合いが入ってるなアニス」

「はい、お父様」

「だが、もう朝ごはんの時間だ。早く行かないとリリスにどやされるぞ~」

「ひっ、はい」


 お母様は怒ったら怖い。

 三歳の頃に庭から出て怒られた時なんて……今思い出すだけでも全身が粟立ってくる。

 お母様は絶対に怒らせないようにしなければ。

 そう考えているうちにダイニングに到着した。


「あら、アニスお疲れ様。手は洗った?」

「はい、お母様」

「じゃあいただきましょうか」


 みんなで食前の挨拶をして、朝ごはんを食べ始める。

 メニューはパンと目玉焼きとベーコンだ。


「アニス、アニスは冒険者学校に行くのかい?」

「冒険者学校ですか?」


 初めて聞く言葉に私は首を傾げる。


「あれ?知らないのか……ここユーグ王国は冒険者業が盛んで国民の約三分の一が冒険者になるんだ。そして、冒険者になるほとんどの者が十歳になったら冒険者学校に入学するんだ」

「なるほど……」

「冒険者学校は色々な場所にあるんだが、アニスが望むなら、ここソムサの街からは遠いが、最先端の技術が学べる王都の学校に行かせたいと思っている。もちろん厳しい試験があるが、そこはアニスの頑張り次第だ。どうだ?行きたいか?」

「はい!お父様!行きたいです!」

「そうかそうか、それじゃあ修行頑張らなくちゃな!」

「はい!お父様!」

「フフフ、朝から二人とも元気ね~」


 私は前世で迫害されていたため学校に行けなかった。

 なので、今世では絶対に行ってやる。

 そのためにも、修行を全力で頑張ろう。

 早速庭に出て修行を再開だ。



「よーし、アニス集中強化について教えるぞ。集中強化というのは身体強化をまとめることだ。全身に満遍なく掛かっている身体強化を手や足などにまとめて、使いたい箇所だけをより強力に強化するんだ。よしお手本だ。『身体強化』『集中強化』!」


 お父様の体が一瞬光り、威圧感が増す。

 だが、それは身体強化を使った時と同じで、集中強化を使っているような感じはしない。


「不思議そうな顔だな。集中強化を使っても闘気の総量は変わらないから威圧感は変わらないぞ」

「なるほど……」

「よし、お父さんは今足に集中強化をしている。この状態でジャンプすると……」


 ブォン!


 お父様が思いっきりジャンプをする。

 十メートルくらいの高さまで飛んでいる。

 少しして、お父様がシュタッと綺麗に着地した。


「すごいです!お父様!」

「ハハハ、だろ~。じゃあ次はアニスの番だ。やってみるんだ」

「はい!お父様!」


 私は集中強化の鍛錬を始めた。

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