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初めての闘気

「じゃ、じゃあ闘気について説明するぞ」

「はい!お父様!」


 素振りを終えて、アップがすんだころ、お父様に闘気について尋ねた。


「闘気というのは体に宿るエネルギーのことだ。闘気を利用することで身体能力を高めることが出来るんだ。闘気を利用するためにはまず知覚することから始めなければならない。自分の胸の奥に感覚を集中してみなさい」

「はい!お父様!」


 私は目を瞑り、胸の奥に感覚を集中させる。

 すると、胸の奥に、暖かくてモヤモヤした何かがあることを知覚できる。


「お父様、なんかモヤモヤしたものががあります」

「おっ!もう知覚できたか。やっぱりアニスは神童だな……それじゃあ、それを身体中に巡らせるんだ。体の中に枝を張り巡らすようなイメージだ」


 枝を張り巡らせるイメージ。

 胸の中の種から発芽して枝が伸びていくように。

 そう思いモヤモヤの形を変えていく。

 そうするとモヤモヤは細く伸びていき、私の全身に駆け巡る。


「お父様、出来た気がします!」

「なっ!こんなに早く!た、確かに闘気が身体中にしっかりと巡っているな。初めてでこんなに綺麗に出来るとはアニスは本当にすごいな!」


 お父様はそう言って私の頭をがしがしと撫でる。

 私はその心地よい感覚に目を細める。


 実を言うと闘気を扱う感覚は、魔力を扱う感覚とよく似ており、そのためこんな短時間で使えたのだ。


「じゃあその闘気を使って身体強化をしてみようか。闘気は巡らせるだけでも多少は強くなるが、身体強化を発動させた方が断然強くなる。それじゃあ、お手本を見せるぞ。『身体強化』!」


 お父様の体が一瞬光る。

 身体強化を発動させたお父様は先程より威圧感が増していて、感覚でも強くなっていることがよくわかる。


「すごいです!お父様!」

「だろー。じゃあ今度はアニスもやってみようか」

「『身体強化』!」


 私がそう言うと、体が一瞬光る。

 体が一気に軽くなり、生まれ変わったような気分だ。

 まぁ、私は現に一度生まれ変わっているわけだけど。


「おっ!じゃあその状態で剣を振るってみるんだ」

「はい!お父様!」


 私は剣を持ち、正眼に構える。

 そして、勢いよく剣を振りおろした。


 ビュン!


 小気味良い音がなり、斬攻が飛んで行く。

 その斬攻は二十メートル先の地面を抉り、芝生を散らせた。


「やっぱりアニスはすごいな……どうなっているんだ……これは闘気を飛ばしているわけじゃあないんだよな……」

「お父様!すごいです!さっきよりも遠くに届きました!やっぱり闘気はすごいですね!」

「あ、ああ、そうだな……闘気がすごいと言うよりアニスがすごいんだがな……」


 お父様は私に同意したあと何か言っていたけど、声が小さくて聞き取れなかった。

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