初めての修行
翌日から私の修行が始まった。
庭にてお母様とお父様に闘気の使い方と剣術を教えてもらうのだ。
私は今、庭に出て木剣を構えていた。
そして、私はとても興奮していた。
私は前世の子供のころから剣に憧れていた。
生まれつき体が弱かった私は、家にこもり本を読み耽っていた。
本の主人公はいつも剣を持った冒険者だった。
その誰もが剣でバタバタと魔物を倒し、様々な場所に赴いていく。
そんな姿に私は憧れた。
私が魔法を使えるようになって体の弱さを改善すると、毎日剣を振った。
しかし、前世の私は闘気がなく、魔法を使えるというだけで魔女として差別され、剣の師を得ることもできなかった。
それでも毎日剣を振り続けた。
その結果、技術は上がった。
だが、いくら技術が上がっても剣術のみ倒せるのはせいぜいワイバーン程度。
結局私は死ぬまで剣を振るい続けたものの、本の中の主人公のようなことは出来なかった。
しかし、今の私には闘気がある。
闘気さえあれば、私は剣の境地に至れるはずだ。
そんな期待を胸に木剣を振るった。
「エイッ!」
ビュン!
私の振るった剣は空気を裂き、先方十メートルほどの地面を抉った。
うーん、やはりまだ幼い子供の体のではこの程度か。
だが、闘気さえあれば幼くても前世の私など優に越えることが出きるだろう。
「え?」
「なっ!アニス!どういうことだ!?闘気を扱うことが出来たのか!?」
お母様とお父様が驚愕の表情を浮かべている。
そして、お父様に至っては意味のわからないことを訊いてくる。
「いえ、使えるわけないじゃないですかお父様。今のはただ剣を振るっただけですよ」
「なっ、確かに闘気は見えなかったが……そんなはずがない、ただ振るっただけであんなことには……」
お父様は顎に手を当てて、少し考え事をしたあと、お母様と話し合いを始めた。
なので私は素振りを再開する。
ビュン!
私が剣を振るうと先程と同じように十メートルほど先の地面を抉った。
お母様とお父様はまたもや唖然とし、魔法の練習に夢中でさっきのは見ていなかったセレナお姉様が目を輝かせて私に向かってくる。
「まぁ!アニス!すごいのね!斬撃を飛ばすなんて、とってもすごいわ!」
「いえいえ、セレナお姉様の魔法こそすごいですよ!あんなに大きな水の弾を作り出すなんて、セレナお姉様は天才です!」
セレナお姉様はいつも魔法の練習で大きな水の弾を作っては消してを繰り返している。
その大きさは直径五メートルを越えており、前世では作り出せる者が滅多にいなかった。
その年齢でここまで大きく作れるのは正真正銘天才だからだろう。
「まぁ、アニスったらおべっかも上手なのね。フフフ」
私とセレナお姉様はしばらくの間駄弁っていた。




