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ジャイアントボア

「こいつらはGランクモンスターのジャイアントボアだ。ダッシュボアと同じGランクだが、身体が大きく頑丈だ。気を付けろ。俺、リリス、アニスでそれぞれ一匹ずつ相手をするぞ。セレナには周囲の警戒を頼む。準備はいいか?」


 私、お母様、セレナお姉様が黙って頷く。

 それと同時にジャイアントボアの内一匹が私に目掛けて突っ込んでくる。

 ジャイアントボアの体長は2メートル近くあり、剣で受け流そうにも上手くいかないかもしれない。


 そう考えた私は剣を素早く振り、斬撃を飛ばした。

 その剣筋はジャイアントボアの額に吸い込まれるように命中した。

 額から赤い鮮血が霧散するも、傷口は浅く、致命傷とは言いがたいダメージしか与えられていない。

 だが、それで十分だ。

 ジャイアントボアの突進が止まったのだから。


「『身体強化』」


 私はすぐさま身体強化を使用し、今度は私からジャイアントボアに突っ込んだ。

 さっきの攻撃で怯んでいるジャイアントボアの隙を突く。

 私はジャイアントボアを顎下から逆袈裟で斬った。

 さらに、振り上げた勢いを利用して、首に剣を振り下ろした。

 少し抵抗を感じたものの、すんなりと刃が入っていき、頸動脈を貫いた。

 首から勢いよく血が吹き出し、まもなくジャイアントボアは動きを止めた。


 戦いに勝利した私はお父様とお母様に声をかけようとする。

 しかし、まだ二人とも戦闘中だった。


 お父様は自分の身の丈ほどもある大剣を使ってジャイアントボアの右足を深く傷つけており、すぐにでも雌雄が決するであろう。

 お母様は小ぶりな細剣を素早く振り、ジャイアントボア目や鼻に細かな傷を作り、怯ませている。

 お母様では決定力が足りず、倒すにはかなり時間が掛かるかも知れない。

 そう思っていたその時、ジャイアントボアを倒しおわったお父様が横から、お母様が戦っていたジャイアントボアを輪切りにした。


 さっきは私、お父様、お母様がそれぞれ一匹ずつ相手をしていたが、この戦い方が本来の戦い方なのだろう。


 お母様が素早い剣さばきで相手を翻弄して注意を引き付け、お父様が隙をついて大きな一撃を与える。

 それが二人の普段の戦法なのだ。


「お父様、お母様、お疲れ様です」

「ああ、お疲れ、アニス」

「お疲れ様、アニス。やっぱりアニスはすごいわねぇ、あんなに早くジャイアントボアを倒しちゃうなんて……」

「いえいえ、運が良かっただけですよ」

「アニスは謙遜もできるのねぇ、フフフ」


 それから、魂石を取り出したわたしたちは、さらに先に進むことにした。

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