魂石
私は今、ダッシュボアの死体を解体している。
これは食べるためではなく、魂石を取るためだ。
魂石とはモンスターの動力源であり、色々な道具や装備に使える便利な資源だ。
モンスターを狩ったら必ず取り出した方がいい。
前世ではこのレベルの魂石は捨ててたけど……
「お父様!魂石を取り出しました!」
「おお、よくやったな……」
お父様は私の頭を撫でながら魂石を受け取った。
「だがアニス、これはアニスが貰ってくれ。初めて取った魂石だろ?記念に取っておくといい。お父さんも大事に取ってあるんだぞ」
「そうなんですね!私も大事にします!」
魂石を使うことで強くなる魔法や剣があるからこれは大切に保管し、来るべき時に備えよう。
ダッシュボアの死体はそのままに私たちは森の奥へ進む。
ダッシュボアの素材は質が悪く、使い物にならないからだ。
いい素材が採れるモンスターだったら、皮や牙を取って、防具や武器に加工するのたが。
しばらく進むと、お父様が突然立ち止まる。
「うーん、モンスターが全然いないな。みんな、どうしようか?ここから先はセセル森林の中層に入るため少し脅威度が上がる。進むか?戻るか?」
「うーん、アニスもいるから危ないかも知れないわね」
お父様の問いかけにお母様が返答する。
このままじゃ帰ることになってしまう。
必死に対抗せねば。
「お父様!お母様!私は進みたいです!剣も闘気も結構使えるようになってきましたし、このまま進みたいです」
「お父様、お母様、私からもお願いします。アニスはとても才能があり、いい経験になると思います。それに、さっきの剣さばきを鑑みれば、そこまで危険ではないと思います」
私の必死の対抗をセレナお姉様も援護してくれる。
これでも戻ると言うのであればしょうがない。
素直に引き下がろう、私は何よりも家族を第一に考えているからね。
「そうか……そうだな。アニスは予想以上に戦闘が得意のようだしな。わかった。このまま進むことにするぞ。ここからはさらに危険になるから十分警戒してついてくるんだぞ」
「はい!お父様」
よかった、まだ冒険は続くようだ。
久々の冒険、そして、今世で初めての冒険だ。
存分に堪能しよう。
私たちがお父様についていき、中層に入り五分ほどだった頃だった。
前方からダッシュボアよりも二回りほど大きな猪のようなモンスターが三匹現れた。




