転生しちゃった!?
「アイリス!防御してくれ!」
「わかったわ!『轟雷の盾』!」
魔王の放った漆黒の魔法を私の魔法で防ぐ。
私の魔法と魔王の魔法は拮抗し、眩い光を放った後、双方ともに消滅した。
「今よ!シュルス!」
「ああ!『輝光の剣刃』! 」
シュルスが剣を振るうと、黄金の光を放つ斬撃が飛んでいく。
魔王は反応はしたものの、魔法を発動した直後のため、防御は間に合わず……シュルスの放ったシャイニングブレードは魔王の胸に吸い込まれた。
「グワッ、よくも我の体を……許さん!我が闇に呑まれ、死にゆくがよい!『極闇の魔弾!』」
胸から大量の青い血液を流しながら魔王は極大の魔法を放った。
その大きさは山の如く、私たちを呑み込まんと襲い掛かる。
「クッ!『雷神の滅槍』!!!」
私が放った魔法と魔王の魔法はぶつかり合い、強烈な爆風を生む。
燐光が視界の全てを覆い……決着が着いた。
魔王の頭部は跡形もなく吹き飛んでおり、最早、生命活動を続行するのは不可能だ。
魔王は死んだのだ。
しかし……
私の体も多大なダメージを受け、最早死ぬのも時間の問題だ。
「アイリス!大丈夫か!」
「ゲホッ、ゴホッ、ゴッ」
あーあ、私こんなところで死んじゃうのか。
やっと魔王を倒して、世界が平和になったのに。
まぁ、平和になったところで私の居場所なんて何処にもないんだけどさ。
あーあ、やり残した事たくさんあるな。
もっと色々なものを見たかったな。
聞きたかったな。
食べたかったな。
色々な場所に行って、私の知らない楽しさに触れたかったな。
あぁ、やっぱりもっと冒険したかった。
もし、生まれ変われるとしても私はやっぱり冒険者になりたいな。
冒険は未知の塊だ。
その未知に触れる事が私はどうしようもなく楽しかった。
未知は冒険することで既知になるけれど、世界は広い。
まだまだ私の知らない場所や人や物が沢山あって、その全てを知ることなんて到底できるはずがない。
だから、冒険には終わりなんてものはなく、無限の楽しさを秘めているんだ。
冒険の楽しみを、嬉しさを、心地よさをもっと味わいたかったな。
あぁ、冒険したいな……。
▼▲▼▲▼
暖かく、気持ちのいい春の日差しが瞼を刺激し、私は目が覚めた。
頭がぼんやりとする。
そう、とても長い夢を見ていたような。
だが、あれは夢ではないと直感でわかる。
あれは前世の記憶なのだ。
今、頭の中にあるこの記憶は前世の私の記憶なのだ。
前世の私が生まれて、死ぬまでの、全ての記憶なのだ。
私、“アニス·ファルダン”は五歳のある日、前世の記憶を全て思い出した。
読んでくださりありがとうございます!
今日あと4話投稿するので、読んでくださると嬉しいです!!




