ポツリと溢した言葉
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戻ってきて早々わたしが、
「ええと、この方に決めようと思います」
というと、面接の準備をしていた二人が、ぶほっとふいて咳き込んだ。先に立ち直ったリフさんが、まだ抱きかかえられているわたしの頬をむぎゅっと挟んで捏ねる。
「ちゃんっっとまともな奴なんだろうな?」
それは自信がある。こくこく頷く。
「事情話してわかってくれてるし、お互いの利害も一致してるし。なにより経験者なので、即戦力間違いなしです」
「けっ、経験者!?」
「リフくん、そこ多分経験者違い。ミハルちゃんのあとに続く言葉、ちゃんと聞いてたかな?」
「あ、お、おぉ……」
赤い顔して、いったい何と勘違いしたんだ。
わたしを抱えたままの彼が、笑いを堪えて二人のやりとりを見ている。
「じゃあ、面接はなしってことか」
リフさんから水を受け取り、クピ……と飲む。
飲むと、胸の気持ち悪さが少しとれた。
いつもの店内、マクマクさんとリフさんを見て、窒息しそうだった胸が呼吸を思い出す。
「待っててもらったのに、失礼かな?」
「いや、お前が相手を決めたんだ。文句の言いようもないだろ」
どれだけ女性の立場が強いんだろう、という疑問は、とりあえずお国柄というところにボンと投げ入れた。
「それに、具合が悪い中で、沢山の面接者と話すのも大変だよ。まだ病み上がりなわけだし」
「病み上がり?」
マクマクさんの言葉に青い彼が反応した。というか、お名前を訊くのをすっかり忘れてました。
「あ、あの……」
わたしは自分の名を名乗ってから、オズオズ彼に名を訊ねると、彼は南国の海のような双眸を優しく緩めた。
「失礼しました。わたしの名前は、シルスと申します。歳は二十三です」
二十三と聞いてマクマクさんが驚いて笑った。
「歳上かぁ。若く見えるから、てっきり下かと思った。僕はマクシヴァル。よろしくね」
「こちらこそ、ミハルさんの夫として、精一杯頑張ります」
二人はにこやかに握手をかわす。
その隣で、赤茶のゆるゆる天然パーマの髪を掻き上げ、まだ見定めているような視線をシルスさんに送るリフさんが、控えめに手を差し出す。
「リフだ。よろしくな」
「はい。こちらこそ」
リフさんもわたしから見たら大人に思っていたけれど、シルスさんとこうして言葉をかわしていると、シルスさんが更に大人に見えた。
「じゃあ、外の皆に伝えて来るね」
マクマクさんが、待っているかたがたに事情説明のために出ようとしたところを、わたしは服を掴んでとめる。
「わたしが行きます。決めたのはわたしなので」
寒い中、待っていてくれたかたがたに失礼のないよう努めよう。自分に出来ることはないかと考えて、わたしはカウンターの下にある紙束を手にして、入口のドアに手をかける。
「事情説明と、お詫びに割引チケット配ってきます」
ちょっと待った、とリフさんがドアノブにあるわたしの手を掴む。
「男酔いして、具合悪くて戻ってきたんだろう?」
それがですね。
「お水飲んで、リフさんやマクマクさんの顔を見たらホッとして。少し良くなったから、その間に配っちゃいますね」
わたしの言葉に、二人はポカンと口を開けた。
少しして、二人が何やら照れている?
「あー、……そうかよ」
「うん、いってらっしゃい」
なぜ顔が赤い。
わたしはちょこんと首を傾げて、緩められたリフさんの手からスルリと抜けて、ドアを開けた。
そのあと、二人がぽつりと溢した言葉をわたしは知らない。
「アイツ、言ってる意味ぜってーわかってないよな」
「そうだね」
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