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ポツリと溢した言葉

いつも読んで下さりありがとうございます!

現在更新時刻は不定期になっていますが、0時前後が多いかもしれません。


評価ポイントやいいね、ブクマが増えていて、とても嬉しいです(*´ω`*)。

この場で感謝の気持ちを言わせて下さい。

ありがとうございます。応援して下さるかたがいてくれるので、頑張れますm(_ _)m


 戻ってきて早々わたしが、

「ええと、この方に決めようと思います」

 というと、面接の準備をしていた二人が、ぶほっとふいて咳き込んだ。先に立ち直ったリフさんが、まだ抱きかかえられているわたしの頬をむぎゅっと挟んで捏ねる。

「ちゃんっっとまともな奴なんだろうな?」

 それは自信がある。こくこく頷く。

「事情話してわかってくれてるし、お互いの利害も一致してるし。なにより経験者なので、即戦力間違いなしです」

「けっ、経験者!?」

「リフくん、そこ多分経験者違い。ミハルちゃんのあとに続く言葉、ちゃんと聞いてたかな?」

「あ、お、おぉ……」

 赤い顔して、いったい何と勘違いしたんだ。

 わたしを抱えたままの彼が、笑いを堪えて二人のやりとりを見ている。






「じゃあ、面接はなしってことか」

 リフさんから水を受け取り、クピ……と飲む。

 飲むと、胸の気持ち悪さが少しとれた。

 いつもの店内、マクマクさんとリフさんを見て、窒息しそうだった胸が呼吸を思い出す。

「待っててもらったのに、失礼かな?」

「いや、お前が相手を決めたんだ。文句の言いようもないだろ」

 どれだけ女性の立場が強いんだろう、という疑問は、とりあえずお国柄というところにボンと投げ入れた。

「それに、具合が悪い中で、沢山の面接者と話すのも大変だよ。まだ病み上がりなわけだし」

「病み上がり?」

 マクマクさんの言葉に青い彼が反応した。というか、お名前を訊くのをすっかり忘れてました。

「あ、あの……」

 わたしは自分の名を名乗ってから、オズオズ彼に名を訊ねると、彼は南国の海のような双眸を優しく緩めた。

「失礼しました。わたしの名前は、シルスと申します。歳は二十三です」

 二十三と聞いてマクマクさんが驚いて笑った。

「歳上かぁ。若く見えるから、てっきり下かと思った。僕はマクシヴァル。よろしくね」

「こちらこそ、ミハルさんの夫として、精一杯頑張ります」

 二人はにこやかに握手をかわす。

 その隣で、赤茶のゆるゆる天然パーマの髪を掻き上げ、まだ見定めているような視線をシルスさんに送るリフさんが、控えめに手を差し出す。

「リフだ。よろしくな」

「はい。こちらこそ」

 リフさんもわたしから見たら大人に思っていたけれど、シルスさんとこうして言葉をかわしていると、シルスさんが更に大人に見えた。

「じゃあ、外の皆に伝えて来るね」

 マクマクさんが、待っているかたがたに事情説明のために出ようとしたところを、わたしは服を掴んでとめる。

「わたしが行きます。決めたのはわたしなので」

 寒い中、待っていてくれたかたがたに失礼のないよう努めよう。自分に出来ることはないかと考えて、わたしはカウンターの下にある紙束を手にして、入口のドアに手をかける。

「事情説明と、お詫びに割引チケット配ってきます」

 ちょっと待った、とリフさんがドアノブにあるわたしの手を掴む。

「男酔いして、具合悪くて戻ってきたんだろう?」

 それがですね。

「お水飲んで、リフさんやマクマクさんの顔を見たらホッとして。少し良くなったから、その間に配っちゃいますね」

 わたしの言葉に、二人はポカンと口を開けた。

 少しして、二人が何やら照れている?

「あー、……そうかよ」

「うん、いってらっしゃい」

 なぜ顔が赤い。

 わたしはちょこんと首を傾げて、緩められたリフさんの手からスルリと抜けて、ドアを開けた。

 そのあと、二人がぽつりと溢した言葉をわたしは知らない。


「アイツ、言ってる意味ぜってーわかってないよな」

「そうだね」


ここまで読んで下さりありがとうございました!

更新頑張りますので、また読んで頂けたら幸いですm(_ _)m

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