青い髪の青年
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わたしは、ドヤドヤ溢れる人達を車道から歩道に誘導して並ばせていた。
常に色々な方向から男性の視線が突き刺さるのは、意図的ではないにしろ、わたしが花婿を募集したからであって、意外にみんなすんなりと並び直してくれたのにはありがたかった。
ただ、どこかの人気店大行列のような状態は、正直あまり嬉しくはない。花婿募集を目的にしている人にとっては嬉しいんだろうけど、わたしの目的はあくまで事務要員だったから。
根本的に、彼らとは目的が違う。
でも、彼らは何も悪くない。悪いのは、この国の事情を知ろうとしなかったわたしだから。
無知で愚かなわたしは、彼らの人生を身勝手にも巻き込んでしまったのだ。
しかし──。
「キミがミハルちゃんだね! ボクは──」
「素敵な花嫁にこの花束を──」
「こんなおじさんでも──」
「はじめまして──」
……。
……。
男性苦手なわたしにとっては、色々がお腹いっぱいです。
危害が加えられることはないものの、男性たちから向けられる愛情圧に少しあてられてしまったわたしは、いったん店の中に入ろうと踵を返したときに「うっ」と呻いた。
車酔いならぬ男酔いになったのか、少し気持ち悪くなった。
苦手なものを沢山見てしまったが故の、キャパオーバーになってしまったようだ。
こんなところで蹲ろうものなら、この方々に囲まれて自身が色々と詰んでしまう。なんとしても勘づかれずに店に入らなければ。
と、列の最後尾にいるわたしが、入口までの距離を確かめて、笑顔を張り付かせて思った。
うん、間に合わないかも。
このままでは、笑顔の仮面が外れて囲まれて、そして心配されてしまう。そうなれば逃げ道を塞がれる。
どうしようかと内心焦っていたときだ。
「すみません。お店の洗面室を借りても?」
振り返ると、青いサラサラショートの髪をした青年が申し訳無さそうに立っていた。
ここまで読んで下さりありがとうございました!
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