異国の娘
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今回も三人称となっております。
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2022/07/22
少し手直ししましたm(_ _)m
ようやく朝日が昇る頃、リフが医者を連れてきた。
診察を終えて医者が帰る頃には、周りはすっかり明るくなっていた。
いつもならば、パンを焼く石窯の煙突から煙がゆらりとあがるのだけれど、今日はそれがない。
店内にも明かりは灯されない。当然プレートはクローズのままだ。
ミハルの部屋にいるリフは、薪を暖炉に放り込んで、部屋を冷やさぬように努めていた。
マクシヴァルは、ミハルが不安にならないよう彼女の手をずっと握っていた。いや、男性が苦手な彼女にとっては、握られているほうが迷惑なのかもしれない。そう、これは自分が安心したいからなのだろう。
部屋を暖め、寝間着を着せて、ベッドに寝かせてしばらく。ようやくミハルの真っ白い顔に色が灯ってきた。
ただ……熱が出なければよいのだが、とその一点だけは心配であった。
暖炉に薪を放り込んだリフが、マクシヴァルの隣に蹲踞して「はぁ」と、長く息を吐いて頭を下げる。
「医者が、あと少し遅れてたら危なかったって……それ聞いて心臓とまるかと思ったわ」
それは聞いていたマクシヴァルとて同じだった。
マクシヴァルは、口を真一文字にして難しい顔をして考え込む。そして、リフを見る。
「……やはり通いは危ないね。リフくんも僕も、やはり今日からここに住もう。彼女は驚くかもしれないけど。何かあってからじゃ遅いから」
蹲踞しながら、リフがマクシヴァルを見上げる。
「なぁ。コイツ、ちょっと変わってる奴だよな。こういうことは恋人としろ、とかって言われるし。通い婚って、俺の周りじゃあ、あんま聞かねぇし……」
言われてマクシヴァルは気付いた。
彼は、彼女のことをこの国の娘だと思っているのだ。ならばそのような考えになってしまうのも無理はないだろう。
誤解から溝ができてしまうのも彼女が可哀想だと思ったマクシヴァルは、「リフくん」と一言区切って、説明することを決めた。
「ミハルちゃんは異国の娘だよ。彼女からしたら、むしろ僕たちのほうが変わっているんだと思う。女性がバイトを募集するということは、バイトで雇った男性と結婚する義務が生じる、なんて。きっと異国にはないんだろうからね」
「じゃあなにか。コイツはお国の事情も何も知らないで、二人の旦那をこしらえたのかよ」
マクシヴァルは苦笑し、「言い方」とリフを窘めつつ「まぁ、そうなるよね。ついでに彼女は男性嫌いだよ」と付け加えれば、リフは「は?」と、驚いて固まってしまった。
「両親の離婚が原因のようだけど、多分それだけじゃないんだと思うよ。ほら、年頃の男の子って何かと複雑だしね」
リフは頭を抱えた。やっぱりそうなるよね、とマクシヴァルは彼の気持ちを慮る。
少ししてリフは立ち上がり、後頭部を搔く。
「ったく。しょうがねぇヤツだな」
それからリフはマクシヴァルのほうを向き、「……俺、なんか作っときます」と言って、リフは部屋をあとにした。
パタンと閉められたドアを見て、マクシヴァルは「ふはっ」と笑った。
「意外に彼も、事態に対して順応だね」
ここまで読んで下さりありがとうございました!
更新頑張りますので、また読んで頂けたら幸いですm(_ _)m




