救出
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マクシヴァルとリフは、キッチンや売り場のほうで作業をしていたが、ミハルが一向に姿を見せないことで、喉に小骨でもあるのかと思うような、なんともいえない気持ちでいた。
疲れた彼女が今、風呂に入っている。
その考えであっているはずだ。
──いや、あっているのか?
二人とも作業をとめて、示し合わせたように先程の洗面所の扉へと向かう。
「ミハルちゃん」
マクシヴァルが戸を叩く。が、水が流れる音だけで返事はない。代わってリフが「おい、ミハル! いるんだよな!?」と、強めに戸を叩くが、やはり水の音だけが聞こえるばかりである。
普通、これだけ声をあげれば何かしらの反応や、一定に流れる水の音にも変化があるはず。
何かが変だ。
戸を開けようとリフがドアノブに手をかけて、躊躇する。
いや、今入浴中だよな。このまま入っていいのか?
しかし、その考えを打ち消すかのように、ドアノブにのせられたままのリフの手ごと、マクシヴァルは掴んでドアを開けた。
「ミハルちゃん!」
洗面所に入り、躊躇なくマクシヴァルは浴室のドアも開ける。
そして、二人はあまりの驚きに声を失う。
浴槽の縁に頬を押し付けたまま、ミハルがグッタリと気を失っていた。
お湯といえるほどの温度がないぬるい水が、浴槽から溢れて排水口へと流れていた。
「リフくん! バスタオルありったけ持ってきて! あとミハルちゃんの部屋の暖炉に火を!」
そうリフに向かって叫び、マクシヴァルは自身が濡れることも厭わずに、ミハルを浴槽から抱えて救い出す。
冷たい。
マクシヴァルはミハルの口元に耳を寄せる。
けど、息はある。
「マクさん!」
リフがバスタオルを広げ、ミハルにかけて裸体を隠す。
「俺、暖炉に火ぃ入れてきます!」
リフは、動揺しながらも弾丸のようにミハルの部屋へと走っていった。
マクシヴァルは、洗面所にミハルを寝かせて、水を吸ったバスタオルを取り替え、再び抱きかかえる。
真っ白い顔で気を失っているミハルを見つめ、支える手で後頭部を優しく撫でた。
顔色が良くないことはわかっていた。
どうしてあの時点で彼女に休めと言えなかったのか。
何かあってからでは遅いというのに。
「休んでって言えなくて、ごめん……」
ここまで読んで下さりありがとうございました!
更新頑張りますので、また読んで頂けたら幸いですm(_ _)m
体調等、皆様がお元気でありますように(ꈍ‿ꈍ)




