アモーレ
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「わたしはアモーレというものだ。どうかお見知りおきを。美しい姫よ」
口から聞き慣れない砂糖の塊を吐いたような言葉を言われ、目が点になる。そればかりか、流れるようにわたしの手の甲にキスを落としてきたものだから、足の先から頭の先まで鳥肌が駆け抜けた。
面接で自制が強化されていたから、悲鳴も逃げもしなかった自分を褒め称えたい。
まぁ、あの穏やかなマクマクさんが、片眉をピクリと跳ね上がらせて、表情筋が死んだような顔になっているのには驚いたけど。
すごい人が面接に来たな。というか、こんな貴族のような格好をしたアモーレさんは、バイトなどしなくても優雅に生活できるのでは?
バイトの意味、わかってるのかな?
「本当に可愛らしいな、貴方は」
急にわたしの目の前に来て、くすっと笑って視線をあわせ、なんとわたしの髪を掬って耳にかけるではないか!
無理! 無理むりむり! 遺伝子レベルで悲鳴があがる。
マクマクさんに助けてもらおうと目配せしようとした瞬間、目の前にあるアモーレさんのお顔が右から左に押されて片側にぎゅむりと寄った。
「ってか、どいてくんない? 面接、俺が先なんだけど」
声の主。アモーレさんを押した手を追って見上げると、マクマクさんと同じくらいの長身な青年がいた。
あれ?
この人、どこかで見たことがある。
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