大パニック
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自室のクローゼットにしまってあった服を取り出し、再度廊下に人がいないことを確認してから着る。
実はこれ、わたしが作ったクラシカルメイド服なのだ。この世界へ来てから、ちまちま作っていたんだ。
黒い服に白いエプロンで、胸元に黒いリボンがある。
コスプレのような肌露出重視ではなく、質素だけれど品があるような仕立てになっている。
もし女の子が来たら、かわいいバイト服とか用意したいな。
ネックレスをしたことで、おしゃれ心が疼いて思わず着てしまったけれど、やはりわたしでは色々が痛い。
わたしは鏡に映る自分の姿を見る。
『男みたいな性格だよな』
「……」
ギュッとスカートを掴む。
中学の頃に言われたことが、胸の奥深くに突き刺さっていて、ときどき疼く。
『女の子を火傷させちゃうのはイヤだから』
女の子扱いされるのなんて……今更だ。
「私が着たって似合わないのに、バカみたい」
そうネガティブを吐いて、脱ごうとしたときだ。
「よかった。ミハルちゃんここだったんだね。バイトの件なんだ、けど……」
背中のファスナーをおろしている最中に部屋に入ってきたのは外套を着たマクマクさんだ。
背中、マクマクさんのほう……。
反射的に背中を隠すためにマクマクさんの方へクルリと向き直ったけれど、それはそれでメイド服を披露するかたちになってしまい、わたしは恥ずかしさに騒いで近くにあったクッションで前面を隠す。
恥ずかしさ大パニックだ。
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