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なんでさ!

いつも読んで下さりありがとうございます!

更新はだいたい21時〜22時前後を予定しております。

 夜会から数日が経った頃の早朝──。

 わたしは薪をとりに、まだ暗い外へと行く。

 だいぶ寒くなってきたな。

 外套も何も身に着けずに出たわたしは、背筋を駆け上がる冷気にぶるりと身体を震わせた。

 急がないとあっという間に体温を奪われそうだ。

 はぁ、と手に息を吐きかけて薪棚へ行こうとすると、出勤してきたマクマクさんが丁度薪を抱いてこちらへ来た。

「おはよう、ミハルちゃん」

「お、おはようございます。あの、薪……持ちます」

「大丈夫。冷えるから中に入ろう」

 温かい笑顔のマクマクさん……冷たさで鼻先がほんのり赤い。

 そうだよね。マクマクさん、歩いてここまで来るもの。寒いよね。

 わたしは頷いて、裏口から中へと入る。マクマクさんが入ったのを確認してから扉を閉めた。

 キッチンもまだ寒いけれど、外よりはマシだ。

「マクマクさんは薪を置いたらちょっとそのままで待ってて下さい。外套脱いじゃうと寒いから、わっ」

 マクマクさんのほうを振り返ると、わたしの手をマクマクさんがきゅうっと握ってきた。

「僕の心配ばっかりしてるけど、ミハルちゃんのほうがずっと冷えてるよ。わかってる?」

 悲鳴よりも胸のざわめきのほうが先に反応した。

 夜会の帰り道で起きた出来事がきっかけで、マクマクさんが少し接近してきても悲鳴をあげなくなった。

 なんというか、言葉に裏がないことがわかったから。心配、と言った言葉の裏に迷惑という言葉は彼にはない。笑顔の裏に暴力はない。

 それで男性嫌悪がなくなったわけじゃないけれど。

 レジのときは、あいかわらず男性を見ると下を向いて、パン入れに集中する。沢山の男性が店に押し寄せた際は、混乱と不安で指先が冷えたようになると、マクマクさんがキッチンへ引っ込めて助けてくれる。そういうときに手首を掴まれたりしても、悲鳴はあげなくなった。

 だいぶマシになったんだ。

 でも、接近耐久時間にはまだ難がある。

 握られている手が、隙をみて逃げようと筋肉が緊張すると、マクマクさんが気づいてパッと放してくれた。あははと苦笑する。

「ミハルちゃんが風邪でも引かないかと心配でつい……」

 でも、と続く。

「女の子は、手をこうやって温めると喜ぶって書いてあったから、柄でもないことをやってみたんだけど……でも、なんかごめんね」

 はい! なんかすっごい発言でたよ!

「マクマクさん。どこかに書いてあったとはいえ、それ、なんか遊び人の人が言うセリフみたいですよ」

 とまぁ一般的な発言をしたのだけど、彼はキョトンとした。

「えっ?」

 ですよねー。

 彼のことだ。おそらく雑誌や本を参考に、純粋に女の子を喜ばせたい気持ちでやった行動なんだろう。手を握ることは勉強をして得たスキルだけれど、心配してくれたのは本心なんだろうな。雑誌や本なんか参考にしないで、いつものマクマクさんでいてほしいと思うけど。

 しかし、どこの女の子の話を参考にしているのですかな? 参考にした雑誌や本を紹介してほしい。

「前にも言ったと思うけど、昔からわたしはこういうのが……ええと、男性がちょっと苦手でして。バイト募集も、本当は女の子が来ないかなと思ってたんですけど」

 まぁ、来たのは熱気と男圧力のメンズばかりだったけど。最終的にマクマクさんが来てくれたのは喜ばしいが。即戦ありがたい。

 うーん、とマクマクさんは苦笑して「バイト募集じゃあ女の子は来ないよ」と、申し訳ないように言った。

「?」

 ……なんでさ!

 



ここまで読んで下さりありがとうございました!

こまめに更新いたしますので、また読んで頂けたら幸いです!

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