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プラットフォームができるまで

作者: ヨルスエ

小説を書きたい、書こうと、「なろう」に会員登録をしたものの、何を書こうかも思いつかず、いたずらに時間が過ぎていった。とりあえずでも、構想もなくても書き始めないことは進まないし、書かれたものを読まなければ、何をこれからかけるかも検討もつかない。これは書くまえのストレッチである。

朝の練習


五時に起こされた。猫にだ。猫の甘えた声。いつもの声。朝の挨拶。

2年前に、拾ってきた猫だ。そのうちの一匹はとても甘えた生格だ。

子猫だった頃は、こんなに甘えん坊だったとは思わない。

そうだったろうか。

そのころは、初めてのことだった。猫を飼うなんて。猫を飼うつもりはなかった。魔がさした。

興味本位だった。そのわりにネット検索をした。我ながら、愚かだと思う。命を命とも思わない。

そのおかげで余計な出費が生まれた。

そういつもそうなんだ。

現状で満足をすればいいものを、常に、何か、足りないと思ってしまう。

足りなと思ってしまうから、それを埋めるために何かを補填しようとする。とってくる。持ってくる。

大体の場合、それは、維持するために金がかかる。

ダンス、ボルダリング、酒、ゲーム。そして猫。

当時は、一人になったばかりで、時間の使い方わからなかった。

わからなくなっていた。

一緒に暮らしていた人が、ある日、突然、仕事で転勤、単身赴任。

お互いに生活が一変した。

二人分作っていた食事は一人分になった。

使う鍋はひとつ。皿も、ワンプレートで済んだ。

とにかく何をするにも時間が余った。

1時間を過ごすのがこんなにも何かをしなくては埋まらないものだということに気付かされ、そしてその生活に慣れていたことは、変化をした後で気づいた。

あるいは、もしかしたら、別れていたらもっと違う選択肢も生まれたのかもしれない。

いけないことだとは思うが、ふと、そんな考えも頭をよぎる。

一人の時間は気楽で楽しいものだった、と初めの頃のことを取り上げれば、そう言えないこともない。

朝起きて、酒を飲んでも怒られることはない。その後車を運転しなければ、あとは自己責任。朝から飲んで、昼過ぎに眠って、夕方に起きる。そういう自堕落で破綻した生活をした時期もあった。けれど、すぐに飽きた。アルコール性の蕁麻疹が身体中にでた。痒いし、痛い。そんなことがあれば、酒浸りの生活は自然と終わった。

暇だ。

アルコールで頭を酔わせてしまえば、何も考えなくていい。思考力を落として、ただただ、そこにいれば、無為に時間は過ぎてくれる。

アルコールがなければ、何かをしなくてはいけない。生来から、何かをしていないと落ち着かない性格なのだ。

リサイクルショップでプレイステーション2を買ってみた。不良品だった。すぐに使えなくなってしまった。

ネットであれこれ検索をしていると、ふと、目に入ってきたのが「里親募集」だったのだ。


子猫のいる生活は、それなりに楽しかった。

何より時間がみるみるうちに過ぎていった。

子猫のトイレや、餌や、それを入れる箱をどうしようか。トイレの砂は、何を使うか。見渡せば、家中にはケーブルやら、隙間やら危なっかしいスペースが多い。そうだ。ケージが必要だ。市販のものを買おうか。いや、Youtubeで「百均で作る猫用ケージ」がアップされていたっけ。三千円くらいで作れるだろうか。


こうして可愛らしい子猫の時代は、あっという間にすぎ、彼は、生後半年を迎える頃には、去勢手術を受けていた。


あれから2年。


1時期、里子に出したこともあったが、今では、五時に飼い主を起こす、甘えん坊との共同生活になっている。

午前五時。夜型人間もすっかり朝型になっていた。



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― 新着の感想 ―
[良い点] なんだかんだありましたが、主人公の人と猫が仲良くなっているようで安心ですね。素敵な小説を書けるようがんばってください! [気になる点] 確認ですが、主人公は女性ですか?
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