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01

『立入禁止の屋上に、かつて飛び降り自殺をした女生徒の幽霊が現れる』


 うららかな春先の、怪談。


 そんな季節外れで、なおかつ非科学的な噂話を本気で信じる方が、どうかしている。もちろん俺も、そういう類の話は鼻で笑って聞き流す、ごく常識的な人間であるはずだった。

 その瞬間、今にも屋上から飛び降りようとしている『幽霊』を目の当たりにするまでは。


(冗談、だろ……)


 風に巻き上げられた黒髪。柔らかく細められた瞳。揺れる制服のスカートに、裾からのぞく眩しい素足の白さ。

 その優しくきらめく何もかもが、非業(ひごう)の死を遂げた人物には見えない……ただ一点、彼女の身体の向こう側に、空の青さと太陽の光が透けてさえいなければ。


「っ、待ってくれっ!」


 どうしてその時、引き止めようと思ったのか、分からない。どのみちもう死んでるなら、止めたところで彼女の命が戻ってくる訳でもないのに。

 それでも、俺の身体を()き動かした何かは、気付けば『幽霊』の手を(つか)んでいた。


「……え」


 確かな感触が、あった。この日、俺はシャーマンになった……そんなはずが、あるかっ!



「タカナシ?」

「ツクモくん?」



 振り返った顔は、間違いなく俺の知るクラスメイトのものだった。透けてるけど。



「タカナシ……お前、実は死んでたのか?」

「へ……?」



 空気が、凍った。



 *







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