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第26話 一気に進んでいく展開

【前回のあらすじ】はーい、タマキと門番さんのトークの続きから!

「……そうですね、でもどこにでもあるような山でしたよ?」


「そうですか、ですがその情報でもとてもありがたいです」


「いやいや、お礼を言われるようなことは言ってないですよ……」


「いえいえ……ククルス様にもお願いはしているのですが、仕事しに家出する馬鹿がどこにいるんだと突っぱねられるばかりで……」


「……あんな役立たずは放っておけばいいんですよ」


「そうですね」



 ……いや、肯定していいの?



「……しかし、全くの役立たずというわけではないのですよ」


「はぁ、そんなところが……」


「はい、あの山に生えているキノコは効能もよく、貴重なのですよ」


「それは……何となくわかります」



 いろんなキノコ食べたし……。



「……お茶を飲んで、何かお気付きになりませんでした?」


「あぁ……えっ、確かにおいしかったですけど」



 ……俺、何か試されてんのかなぁ。



「……こんなおいしいお茶は初めて飲みました、絶対これ粗茶じゃないですよね?」


「粗茶です」



 おい、絶対これやりたかっただけだろ。



「確かに粗茶ですが、出汁をオイシメジというキノコで出汁を取っているのです」



 あ……あの、オイシメジか!



「それをしていれば、簡単にここまでおいしくなるのですよ。……粗茶ですが」



 思ったんだけど……それはもう粗茶ではないのでは?



「はぁ……ただのキノコ出汁じゃ、ここまでおいしくならないと?」


「そもそもお茶にキノコなんてありえないでしょう?」



 確かに! ……そんなこともわからなくなってきた、俺って……。



「あの山で採れるキノコのすごさがわかっていただけましたか?」


「ま……それなりには」


「さて、ここからが本題です。さっきもちらっと言ったように、山にはククルス様しか入れません」



 ま、そういうことになるわな。



「そして、この町は、あの山から採取してくるキノコを加工して、販売することで栄えてきた町です。


「うん……」


「……しかし、ククルス様があの山に選ばれてからというもの、収穫量は毎回ばらばら、おまけにあり得ない高額で手売りを始めたのです」



 ふむふむ……。



「そのために、需要に対して供給が全く追いつかず……我が町のキノコ産業はすっかり廃れました」



 ほぉほぉ……。



「町民も仕事を失って……スラム入りする者も増え、今現在の状況に至ります」



 ……何もかもあの馬鹿が原因じゃねぇか!



 ―――――



 ……俺は、クックからもらった紙を頼りに目的地まで来ていた。


 結局ポークさんにお願いしたのは、先方への連絡くらいにしておいた。


 申し訳ないし、借りを作るのもなんだし……それに、ちょっと冒険したい気分だったのだ。


 ところが早速アクシデント、相変わらずあいつの書き物はとても読めたものではなかったのである。


 辺りがすっかり暗いこともあって、ここに着くまでにかなり苦労したことは……着いたからまぁいいよ。


 さて、質素なつくりの平屋からはわずかばかりの光が漏れ出ていて、生活感を感じる。


 ……リンリン!


 呼び出しのベルを一度だけ揺らして待っていると、程なく平屋のドアが開いて……


 ……ひょこ。


 ……淡い輝きとともに、小さな女の子が出てきた。

明日、楽しみにしといてね。ずーーーーーっと温めてた本物のヒロインの登場です!

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