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第21話 門番さんと真実

【前回のあらすじ】町、滅亡する(嘘)。

 空は鮮やかな茜色に染まり、そのパレットに微かに漆黒が滲んできた。


 町と外を隔てる大きな門には門番が立っている。


 がっしりとしたガタイをした大男……俺よりでかいかも。


 そんなデカブツが、厚手の鎧兜を身に付けて、大きな槍を持っているのだから怖いも怖い。


 多分、こんな危険な仕事をするためにこの世に生を受けたのだろう……そんなことを思いながら門をくぐろうとすると、仕事を遂行するといわんばかりに大男が武器を俺たちを遮るように水平にして歩みを止ようとしてきた。


 そして、その職務上何百何千と繰り返してきたのであろうマニュアルじみた丁寧な声で話し始める。



「こんにちは、旅の者たち。この町へ遠路はるばる、ようこそお越しくださいました」



 お……そのガタイからは想像もつかないくらい、いい声してるじゃん。



「どうもこんにちは。遠路はるばる来ました」



 こういう人には、下手に出てはダメだ、あくまで対等の立場であるという意識でないとな。


 門番は少し眉を顰めながらも、淡々と話を続ける。



「それはそれは、お疲れのこととご察しします。しかし僭越ながら、今外の者を町へ入れるわけには参りません」


「……どうしてですか?」


「はい。現在、町は非常に危険な様相を呈しております。外の方を巻き込むわけにはいかないのです。どうかご理解ください」


「じゃあちょっと理解できないのd……」


「演技はもういいよ、門番さん」



 俺が皮肉で返しているところに、クックが割り込んできた。


 俺まで、何言ってんだ……って思ってしまった。



「お前、この門番さんと知り合いなのか?」


「はて、演技とは……? 強いて言うならマニュアルでございます」


「おい、違うじゃねぇか。あんまり大人をからかうのはやめとけよ」


「からかってなんてないよ! ほら、あたしだよ? あたし!」


お前それじゃ、オレオレ詐欺の手口と変わらないんですけど。


「そう言われてもですな、存じ上げないものは存じ上げないのですが……」


「おい、門番さんが困ってるだろ。この状況で無礼な真似はやめろ」


「もう! わからないの⁉ クックだよ! クックぅ!」


「クック……? そのような知り合いは私にはおりませんな」


「おい、いい加減にしろよ。この礼儀知らずの馬鹿が」


「何でだよ! 何でわかんねぇんだよ! ……しょうがないなぁ」



 クックがトレードマークの猫耳を外すと、門番さんは急に頭を下げて。



「これはこれはククルス様、お帰りなさいませ」



 ……様?



「おいおいどういうことだ? それより頭を上げてください」


「そのような無礼は許されません。なぜならこの方は……」



 門番さんが息を飲み込んで……。



「この方は、町長のご息女である『ククルス・ウィステリア・ウィスタリア』様ですから」



 ……まじか。

今回ちょっと短めでごめんね。

重要なところやったから、あんまり詰め込みたくなかったという気遣いです。

明日もがんばろー!

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