表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Rの紋章  作者: 緋野蒼菜
第一節
9/16

八章〜初めてのお仕事?〜

「皆さんの自己紹介終わったようなのでお茶を入れてまいりました。」


 奥の部屋から若い男の人が出てきた。手にはその場にいる全員分のティーカップが。


「ありがとう。伊吹、気がきくね。」


「今日は西園寺様がお好きなアップルティーにしました。」


「良いね。」


 誰?めっちゃ執事みたい!身長、高っ!めっちゃイケメン!


「あぁ紹介してなかったね。彼は伊吹。私の、というかこの会の執事だよ。」


 紹介された男子が深々と礼をする。私のってつきかけたってことはもともと西園寺さんの執事ってこと⁉︎どれだけ金持ちなんだ。しかもアップルティーか。選ぶものもオシャレだなぁ。遥と夜桜はそのアップルティーを一口飲んでみた。


「「めっちゃ美味しい!」」


 なにこの美味しさ!口に含んだ途端に広がる甘いリンゴの香り。そして温かい分、その美味しさが引き立ってる!伊吹さん流石執事なだけあるなぁ。遥と夜桜の反応を見て西園寺は満足げだ。


「あれ?今日は黒鬼くんはお休みですか?せっかく淹れたのに…。」


「おや、確かに来てませんね。古兎さん何か聞いてませんか?」


「いいえ、全く聞いてません。おかしいなぁ。」


「♪〜。まぁ良いでしょう。では早速ですが、今日もお仕事溜まってます。片付けましょう。氷川くん、お願い。」


 お仕事?片付ける?何それ?


「『ROYAL』宛てに来ている仕事を片付けないといけないんです。心配しなくてもこの氷川くんが仕事をバンバン割り振って行きますから、安心して下さい。何かあったとしても流されてくださいね。」


 西園寺さんがニコニコしながら教えてくれた。けど、なんかイヤな予感がするのは気のせいでしょうか?流されてくださいって、どういうこと?


「それでは始めます。皆さん、誰でもできる仕事だからと言って下に回しまくるのは極力控えてくださいね。それで前回、榊原くんがぶっ倒れかけましたから。用事があるのは仕方ないですが。」


「「「「ハーイ!分かりました!」」」」


 みんなにこにこしながら答えた。にしても皆さんニヤニヤしすぎてませんか?下に回す?ってどんどん年下に割り振っていくって事でしょ。てことは最後、中1まで回ってくるってこと⁉︎


 死ぬー!!!


「新人の貴女方は頷くだけで結構ですよ。ほぼ拒否権がないに等しいので。)


 いやいや待って待って!なんかやっぱり不安しかないんですけど。人権は無いのか?(拒否権が無いって)


「じゃあまず西園寺さん、今週沢山、詳しく言うと20件ありますけど、どうでしょうか?」


「今週は上との会議が詰まってて。全てDown(ダウン)(下に)!」


「了解です。次、私ですが身体的に呪術は疲れるので3件だけします。その他の15件はDown!」


 ヤバイヤバイ。この時点でもう35件になってる。まずい。ていうかいきなりの英語、無理!


「次、キャサリン。今週15件あるけど、どうですか?」


「meは今週暇だからやるよ。」


「ドール先輩」、神だ!


「まぁ、5件Down!」


 ウッソー!もう40件!


「ドール先輩」、どれだけいつもやってないんですか!


「次、雅。10件来てますが。」


「だらしない人達だねぇ。やるわよ、アタシは。」


 お願い、上の分も引き受けて!


「では…。」


「自分の分だけね。Approval(アプルーバル)(承認)!」


 あぁー。誰か!


「次、榊原。8件来てますが。どうします?」


「前回ヤバかったからなぁ。」


 もうだめだ。絶対引き受けてくれない。自分磨きに必死だし。


「でもかっこいい僕は諦めません!自分の分と上の10件。Do my best(ドゥマイベスト)!」


 やったー!助かった!やるなぁ、ナルシストも使い物になるんだ(偏見)。


「次、古兎。8件来てますが、どうですか?」


「もちろん全て引き受けます。そして上の10件。Do my best!」

 さすが!かっこいい!


「次、坪田。20件全て占いで来てますが、どうしますか?そして貴女は上の件は引き受けなくていいです。」


 2、20件⁉︎やっぱり頼られてるなぁ。


「…全て引き受けます。」


 うん。無理は禁物。体壊したら意味無いもんね。


「次、橘と佐藤。貴女達は上の仕事をやってもらいます。この仕事は普段の授業の応用で片付けられる範囲です。くれぐれも『ROYAL』の面目を保つこと。よろしいですね。」


 その有無を言わせぬ口調に私達はただ頷くしかない。

 ハルはこう思っているだろう。ウチら本当にここに入ってよかったの?と。

 答えは今ここの雰囲気に合わせて言うとI don't know(分からない)だ。(ていうか語彙力無さすぎてこれくらいしか言えない…。)成績が上がるのはいいがこんな人達や仕事が待ち受けているとは知らなかった。

『ROYAL』は表立って活動をあまりしないから、初めて知ることばかりだ。


「西園寺さん。片付きました。」


「just2分。やっぱり早いね。じゃあ、各自仕事を大体5日でやってきて下さい。新しく入った2人には国に要請して能力名を依頼しておくよ。以上、解散!♪〜。」


 エッ20件を⁉︎ここで夜桜たちは理解した。だからみんな、自分の分だけとか自分の分を減らすんだ、と。そして西園寺さんがハープを鳴らした途端、私達は【holy fort】から放り出された。


「今日は西園寺さん、なんか強引じゃない?」


「なんか嫌な予感がする。部屋に帰って占ってくるよ。また結果は教える。じゃあね。」




 小走りで希はあの部屋へと帰っていった。

お仕事です!新人イビリって怖い!

夜桜はいきなりの押しつけ仕事はハルと無事こなせるのか。

そして慌てていた西園寺の理由とは?

次回投稿をお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ