五章〜召喚!〜
「召喚奉る!来たり『アメノサギリ』!」
申し遅れましたが私、なぜか神様しか呼べない召喚術師なのです。
今回召喚したのは『アメノサギリ』。霧の神様です。夜桜の呼びかけに応え、天から光り輝く人型の神様が降臨した。
「恩奉!聖なる霧を巻き起こし、悪しき気を浄化せよ!」
『アメノサギリ』はスッと手を伸ばし蛇を描いた。するとその蛇は動き出し道真さんの周りを取り囲み始めた。道真さんの周りに浄化の霧が覆う。黒く濃い瘴気に触れるとパリン!どんどん瘴気が割れ、消えていく。それと共に今がチャンス!
「夜桜、待たせたな!」
「元気になったよ!やっつけてやる!」
2人ともグッドタイミング!ハル、こういう時は肝がすわって、役に立つなぁ。
「道真、覚悟しやがれ!『蛇の蜷局』!」
「バイバイ、道真。安らかにお眠り。『地獄の業火』!」
疾風の『蛇の蜷局』で相手を蛇が蜷局を巻くように縛り上げ、火影はその縛り上げたものを浄化の炎で焼き尽くすのだ。案の定、道真さんはうめき声をあげ浄化され消えた。
「私を呼んだのはそなたか?」
『アメノサギリ』が夜桜に問いかけた。
「ええ。有難うございました。」
夜桜がそう答えると『アメノサギリ』は首を傾げた。
「私はよほどのことがないと召喚されぬようにしておるはずだが…そなた、まさか『神の支配者』か?」
『神の支配者』?そんなの聞いたこともない。
「現れていたとは。これは知らせなければならぬ。人の子よ。さらばだ。」
『アメノサギリ』は自ら放つ神聖な神気とともにサッと消えていった。『神の支配者』って一体なんだろう?
「めっちゃ大変やったなぁ。」
「ハル、疾風と火影を治してくれてありがとね。」
「いいよー。気にせんといてー。」
ふと目の端にヒラヒラと舞い落ちてくる紙を夜桜は捉えた。
「なんや、道長さん『手配書』出とったん。知らんかったわー。」
『手配書』とは全国規模で問題が起きている問題の霊に出される指名手配書だ。『手配書』に特定された霊を鎮めると、成績が上がる。レポートも『手配書』が勝手に書いてくれる。それだけでなくランクがつくのだ。現在如月学校にいるランク持ちは数名しかいない。そのうち1人に古兎藍那も含まれている。やっと同じレベルに上がることができた。その前に…
「道長さんじゃなくて道真さんや!ハル、訂正して!」
夜桜は古人の名前を間違えられると相当怒ってしまうのです。文系全般のヲタクなので。
「ゴメンゴメン。道真さんな。」
「全く…。まず綾華に電話しよう!」
夜桜は嬉しくてスキップしながら綾華に電話した。
上機嫌で帰っていく夜桜たちの後ろで4人が帰るのを見届け、引き返していく影があることを誰も知らなかった。
1学期末の成績表が返ってきた。
「成績、メッチャ上がった!夜桜ありがとう!」
『手配書』に登録されていた霊を成仏させたことによってハルも私もかなり成績が上がったらしい。
成仏点は倒した相手のレベル。技術点は宿題によって上がったレベル。
レポート点はレポートの評価。加点は『手配書』などの評価である。
私の成績表はそれぞれ10点満点中
成仏点:8
技術点:5
レポート点:ー
加点:『手配書』より10
合計判定:7(23/30)だった。
平均が5だったため救われた。
やっと召喚できました!
成績上がってよかった。
次はさらなる展開が?
次回の投稿をお楽しみに!




