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翌日もよく晴れていた。抜けるような青い空に、僕は期待で胸を膨らませた。カーフ・クリークまで車を走らせ、駐車場から少し歩いて、今回はエスカランテ・ナチュラル・ブリッジへ行く道とは反対方向に進む。見ると、先日の大雨の影響で、エスカランテ川の水かさは、まだ高かった。昨日、ここへ来なかったのは正解だった。そして、エスカランテ・ナチュラル・ブリッジを先に訪ねておいたことも。この水位で川を渡るのは無理だが、マーベリック・ナチュラル・ブリッジへのトレイルであれば、多少足が濡れるにしても、それほど支障をきたさないだろう。
実際に行ってみると、全般に道が平坦なので、思った以上に楽に歩くことができた。途中、くるぶしのあたりまで水につかる場面があったが、これくらいはしょうがない。
マーベリック・ナチュラル・ブリッジに着くと、僕はまず始めにアーチの上を渡り、5mほどの高さの崖の端に立って、下を見おろした。このアーチの形状を見ていると、アーチとブリッジとの違いがよくわかった。ここでは、山から流れ落ちた水が地面を真下の方向に削り、まわりの岩が残されることで橋のような形になったことが見て取れた。つまり、その名のとおり、ここはアーチではなくブリッジなのだ。
僕は橋を引き返し、今度はマーベリック・ナチュラル・ブリッジの下側に下りてみた。ここに来る前は、このアーチが“岩”なら辻褄が合うと考えていたが、その形状を見て、やはり“天”以外にはあり得ないと思った。橋の下に立って見上げると、大きな穴の向こうに青い空が広がっていた。石積みがあるとしたら、このあたりのどこかだろう。ここは慎重に探さないといけない。もし“天”だとしたら、気にかかっている“3つの”という言葉の意味がどこかに隠されているかもしれなかった。
円形の袋小路のようになったところを、端から順にゆっくり調べていった。同時に時折、周囲の崖を見上げては、“3つ”の手掛かりになるものがないか、探ろうとした。例えば、そこから見える岩の山際に、別のアーチが見えないか、といった具合にだ。しかし、残念ながら別のアーチどころか、肝心の石積みすら見つけることはできなかった。地図上の位置で考えると“岩”、見た目からすると“天”、どちらであってもおかしくないが、逆にどちらでもないというのが正解なのかもしれない。かなり期待していたので、この結果には落胆した。
仕方なく、このままフィップス・アーチを目指すことにした。




